• 映画の思い出を語っていきます!

対決(1)

対決(1989年アメリカ 日本公開: 1991年)The Fourth War

【米ソの2人の兵士による2人だけの第4次世界大戦!】

  1. 冷戦終結、そのころの映画は!?
  2. ポリティカル・スリラーで活躍したジョン・フランケンハイマー監督作品!
  3. ストーリー
  4. キャスト&スタッフ
  5. 見どころ①!~アインシュタインが予言する第4次世界大戦とは!?~
  6. 見どころ②!~たった2人の戦争!~
  7. 見どころ③!~野生と理性が激突する2つの戦い!~

1. 冷戦終結、そのころの映画は!?

 1945年から44年間続いた、アメリカを中心とする西側諸国とソ連を中心とする東側諸国との冷戦は、1989年11月のベルリンの壁の崩壊を経て、同年12月にマルタで会談したアメリカのブッシュ大統領とソ連のゴルバチョフ書記長によって、終結が宣言されました。冷戦の終結は映画界にも影響し、西側と東側の融和を描いた作品が作られました。ジョン・ル・カレの同名小説を映画化した『ロシア・ハウス』(1990年)では、CIA、イギリス情報部、KGBの謀略の中で愛を貫く初老のイギリス人とロシア人女性の姿が描かれます。ペレストロイカ(再革命)下のソ連でロケが実現したことも話題になりました。また、『ロシアン・ルーレット』(1991年)では、CIAとKGBのスパイが共闘する姿が描かれます。『ロシアン・ルーレット』と同じニコラス・メイヤーが監督した『スター・トレックⅥ/未知の世界』(1991年)では、長きにわたって対立していた惑星連邦とクリンゴン帝国が、和平を実現。これもまた、冷戦終結の隠喩でした。
『対決』もまた冷戦終結の影響下にありますが、ここに描かれるのは融和の姿ではなく、あくまでも戦い続ける米ソの兵士。冷戦という大義を失った男たちがどこまでも戦う姿を描くことによって、対立の不毛さを浮き彫りにしています。

 私は、大学生のころ『対決』を京都のSY松竹京映で鑑賞しました。男二人が繰り広げるハードアクションと緊迫感あふれるストーリー展開を楽しむと同時に、戦うことしかできない男たちの悲哀が強く印象に残りました。

『対決』(2)ポリティカル・スリラーで活躍したジョン・フランケンハイマー監督作品!