監督は、『オーメン/最後の闘争』(1981年)のグラハム・ベイカー。製作は、『ターミネーター』(1984年)、『エイリアン2』(1986年)、『アビス』(1989年)でかつての夫のジェームズ・キャメロンとこの時代のSF映画を牽引していた、ゲイル・アン・ハード。ジェームズ・キャメロンもノンクレジットで『エイリアン・ネイション』の脚本に関わっています。『エイリアン2』の前に、キャメロンはSF版『スパルタカス』を構想していました。そこに『エイリアン・ネイション』の元となる脚本が送られてきてリライトします。”Future Tense(未来の緊張)”というタイトルでした。当時キャメロンが構想中のSF版『スパルタカス』の遺伝子改変された労働者階級というアイデアの影響が『エイリアン・ネイション』のニューカマーの設定に見て取れます。その後、脚本はさらに改変され、タイトルも”Outer Heat”になりました。それと同時にキャメロンの名前が消えてしまったらしいとのことです(参考:高橋良平『ジェームズ・キャメロンの映像力学』ビクター音楽産業株式会社、1990年)。『エイリアン・ネイション』の『ターミネーター』に通じる緊迫感溢れるハードな雰囲気はキャメロンの影響を受けているのかもしれません。
主人公のサイクスには、ジェームズ・カーン。『ゴッドファーザー』(1972年)のソニーで有名ですね。他に『ローラーボール』(1975年)、『友よ風に抱かれて』(1987年)など。フランシスコにはマンディ・パティンキン。『プリンセス・ブライド・ストーリー』(1987年)、『ディック・トレイシー』(1990年)など。90年代にはTV『シカゴホープ』の主演で人気を博します。ハーコートには、テレンス・スタンプ。『コレクター』(1965年)、『ウォール街』(1987年)などの名優。『スーパーマン』(1978年)・『スーパーマンⅡ/冒険篇』(1981年)のゾッド将軍でも有名。それ以降も『スター・ウォーズ エピソードⅠ/ファントム・メナス』(1999年)、『レッドプラネット』(2000年)などで活躍しています。