SFアクション映画は、意外にSFとアクションのバランスをとるのが難しいと思います。『エイリアン・ネイション』の前だと『ターミネーター』(1984年)、『ロボコップ』(1987年)などがありますが、SFの要素が大きくなっています。それらと異なり、『エイリアン・ネイション』はアクションにSF的要素をうまく流し込んだという点でとてもバランスがよくなっています。私は、『エイリアン・ネイション』は、日常的な要素に、少し非日常的な要素を入れることで、映画の面白さが増す見本のように感じています。こういった作品はビッグバジェットよりやや低予算のほうがうまくいくようです。他にSFとアクションのバランスがいい作品として、『ヒドゥン』(1987年)、『NEXT-ネクスト―』(2007年)、日本映画『ア・ホーマンス』(1986年)、香港映画『ブラック・マスク』(1996年)を挙げておきたいと思います。
『エイリアン・ネイション』はその後TVシリーズとなり、好評を博しました。