『第5惑星』で印象的だったのは、宇宙でドッグファイトを繰り広げる宇宙船(戦闘機)のデザインです。なんと流線型のデザイン。『スター・ウォーズ』は、使い古された宇宙船というコンセプトのもと、機械が露出し、薄汚れた宇宙船を描き斬新でした。『スター・ウォーズ』の宇宙船に見慣れた感覚では、ポスターで見る『第5惑星』の流線型で汚れていない宇宙船のデザインには逆に嘘っぽさを感じました。『スター・ウォーズ』よりも逆行している印象です。しかし、映画を見だすとさすがにジョージ・ルーカスの特撮工房ILMが協力しただけあって、宇宙船の戦闘シーンの迫力に圧倒され、このデザインも十分ありだなと思わされました。流線型の宇宙船には、その後のSF映画ではお目にかかれなかったのですが、この次に目にしたのは意外や意外、本家『スター・ウォーズ』の『エピソード1/ファントム・メナス』でした。使い古された宇宙船が登場したエピソード4~6の前の時代を描くわけですから、エピソード1~3は美しい流線型の宇宙船が多く登場しました。
また、『第5惑星』には、主人公のダビッジたちの基地として宇宙ステーションが登場します。内部は白を基調にしたインテリアで印象的でした。『THE PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001年)にも宇宙ステーションが登場し、これまた内部は白。『第5惑星』を参考にしたのでは?と思わされました。