アラン・コールドウェル中佐にショーン・コネリー。陸軍基地の憲兵隊長ですから、軍隊内部の警察署長とでもいうべき役柄です。ショーン・コネリーが風格たっぷりに演じています。
ジェイ・オースティンにマーク・ハーモン。マーク・ハーモンは、当時30歳を超えていましたが、売り出し中の新人。「第二のケビン・コスナー」という宣伝文句がつけられていました。その後、マーク・ハーモンは、テレビドラマ『シカゴ・ホープ』(1994年~2000年)で活躍、現在も放送中のテレビドラマ『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』(2003年~)で主演を務め人気を博しています。
コールドウェル中佐の娘ドナを演じるのがメグ・ライアン。『恋人たちの予感』(1989年)や『めぐり逢えたら』(1993年)で「ロマンティックコメディの女王」といわれるようになる前ですが、とても魅力的です。
さらに『地上より永遠に』(1953年)、『十二人の怒れる男』(1957年)、『深く静かに潜航せよ』(1958年)、『天国から来たチャンピオン』(1978年)、『評決』(1982年)などの名優ジャック・ウォーデンが、コールドウェル中佐の元戦友で陸軍資料館館長のロス・マクルーアを演じています。このキャラクターが、殺人事件で重要な役割を担っていることがわかってきます。
ショーン・コネリー、マーク・ハーモン、ジャック・ウォーデンという三人の渋さに紅一点のメグ・ライアンの若さが加わり、個性的なキャラクターで魅せる映画になっています。
『プレシディオの男たち』は、アクションが目玉の『48時間』(1983年)や『リーサル・ウェポン』(1987年)などとは異なり、ドラマ重視の作品になっています。これら四人の登場人物の関係とその変化が見所で、落ち着いた作風になっています。といいながらも、要所要所に登場するアクションシーンやクライマックスの銃撃戦は、迫力があります。