また、砂漠の惑星を舞台にしたモブシーンと巨大セットは、これまた久々に映画に登場した感があり、大量のエキストラを動員した砂漠のアクションシーンは見どころで、目がくらむ迫力です。そこに、デビッド・アーノルドの壮大で美しいスコアが流れ、その迫力あるシーンををさらに盛り上げます。モブシーンと壮大なスコアという取り合わせは、かつての史劇大作を思わせます。テーマもかつて史劇大作の題材に多く使われた古代エジプト文明。『スターゲイト』は、史劇大作をSF映画として復活させた作品といえるでしょう。
壮大なスコアを作曲したデビッド・アーノルドは、この後『インデペンデンス・デイ』(1996年)、『GODZILLA』(1998年)でもローランド・エメリッヒ監督と組んでいます。また、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997年)から『007/慰めの報酬』(2008年)まで5つのジェームズ・ボンド映画のスコアを担当し、ジョン・バリーの後継者といわれました。これら5つのジェームズ・ボンド映画でもアクションシーンを盛り上げる重低音を響かせた迫力あるスコアを創りあげています。一方で『シャフト』(2000年)や『ヤング・ブラッド』(2001年)といった作品では、モダンで軽快なスコアを楽しませてくれます。様々なジャンルを手がける多才な作曲家です。