• 映画の思い出を語っていきます!

レッド・オクトーバーを追え!(その3&その4)

レッド・オクトーバーを追え!(1990年アメリカ 日本公開: 1990年)The Hunt for Red October

3. 冒険小説あれこれ②~冒険小説ファンになって~

 そこから、私は、冒険小説を読み、冒険小説映画を追い求めて映画を見るようになりました。
 冒険小説は、当時ブームともいうべき活況を呈していて、ロバート・ラドラムの『四億ドルの身代金』、スティーブン・L・トンプソンの『A-10奪還チーム 出動せよ』とそれに続く、「マックス・モス」シリーズ、新進気鋭の作家たちによる『宇宙戦闘機アルファ・バグ』や『原潜ポチョムキン撃沈』などを楽しみました。海外の作家のような作風の井上淳の作品に出会ったのもこのころです。『懐かしき友へ―オールド・フレンズ』は、世界を股にかけるスケールで圧倒されました。井上淳のファンになり、『エンドレスファイト』『トラブルメイカー』『シベリア・ゲーム』『沈黙の国』『夜より重く』など読破していきました。
 そういった国際的なスケールをもち、緻密な設定と魅力的な登場人物が登場する冒険小説の世界を映画にも求めるようになりました。クレイグ・トーマス原作の『ファイヤーフォックス』(1982年)をレンタルビデオで借りて見直したり、西村寿行原作の角川映画『化石の荒野』(1982年)を同じくレンタルビデオで借りて見たりしました。映画館でも西村京太郎原作の『アナザーウェイ/D機関情報』(1988年)や『ジャッカルの日』(1973年)に似た『ザ・パッケージ/暴かれた陰謀』(1989年)(ストーリーはオリジナル)、西木正明の『スネークヘッド』が原作の『チャイナシャドー』(1990年)を見ました。これらの作品は、私のイメージする冒険小説映画とは、その片鱗は感じるもののやはり違いました。そんな冒険小説映画を追い求めているときに『レッド・オクトーバーを追え!』に出会ったのです。

4. そして...『レッド・オクトーバーを追え!』に遭遇!

 『レッド・オクトーバーを追え!』は、原作自体が革新的でした。トム・クランシーによる原作は、従来のポリティカルスリラーに最新軍事兵器のリアルで緻密な描写を加えたところから「ハイテク軍事スリラー」と言われました。私は、ベストセラーになってから読みましたが、評判通りのおもしろさで一気に読んだことを覚えています。冒険小説界も、『レッド・オクトーバーを追え!』に続けとばかりに、第3次世界大戦、紛争などをテーマに、兵器やメカの描写に力を入れた類似の作品が多く発表されました。
 小説『レッド・オクトーバーを追え!』の映画化は多くの読者が望みました。小説の映画化は、時に期待外れに終わることがあります。ですが、映画『レッド・オクトーバーを追え!』は、小説を見事にまとめ上げた脚本と豪華なキャスト、アメリカ海軍の協力による航空母艦や潜水艦の登場、迫力のカメラワークに、最先端のSFXが加わり、原作の読者も映画ファンも大満足の一作になりました。

『レッド・オクトーバーを追え!』(その5&その6)冒険小説映画!・ストーリーと見どころ!