『ジョーズ』シリーズは、巨大ホオジロザメと人々の戦いを描くパニック映画ですが、主人公は、どれもブロディ家の人々です。第1作のロイ・シャイダー演じる主人公マーティン・ブロディ警察署長の家族です。
第1作『JAWS/ジョーズ』では、田舎町アミティで、ブロディ署長がサメ狩りの名人クイントと海洋学者フーパ―の協力を得て、サメと戦います。
第2作『ジョーズ2』では、ブロディ署長が第1作に続いて再登板し、舞台も第1作と同じアミティ。今度は一人でサメと戦い、2人の息子マイケルとショーンを含む子どもたちを救います。
第3作『ジョーズ3D』では、マイケルを主人公にし、フロリダのシーワールドに舞台を移して、シーワールドを襲うサメとマイケルたちの戦いを描いています。ショーンも登場します。ですが、第3作は、シリーズの中では番外編的な位置づけになっています。
そして、この第4作『ジョーズ’87 復讐篇』は、マイケル、ショーンに加えて、ブロディ署長の妻エレンが『JAWS/ジョーズ』、『ジョーズ2』に引き続いて登場。主人公はエレンです。したがって、『ジョーズ’87 復讐篇』は、ストーリー的には、『ジョーズ2』に続く作品となっていて、ブロディ一家の物語の完結編になっています。第4作は、シリーズ中では、あまり評価が高くありません。しかし、ブロディ家の物語をきれいにまとめ上げていて、再評価されていいのでは?と思っています。『JAWS/ジョーズ』、『ジョーズ2』、『ジョーズ’87 復讐篇』という一つのサーガで観るべき作品といえるでしょう。
タイトルは、『大空港』(1970年)を第1作とする『エアポート’74』(1975年)、『エアポート’77/バミューダからの脱出』(1977年)、『エアポート’80』(1980年)の「エアポート」シリーズと同様、タイトルに公開年をつけたもの。その後もシリーズが続くことを期待しましたが、ストーリーが完結したことから、シリーズは、ここまでということになりました。
最初のレンタルビデオ(VHS)では、『ジョーズ’87 復讐篇』のタイトルでリリースされましたが、その後の廉価版VHS以降、現在のDVDに至るまで、『ジョーズ4 復讐篇』のタイトルでリリースされています。
田舎町アミティでは、警察署長として活躍したマーティン・ブロディは、すでに他界し、マーティンの妻エレンと次男ショーンが二人暮らしをし、ショーンは、保安官補になっていました。マーティンは、過去に二度サメと戦ったこと(『JAWS/ジョーズ』『ジョーズ2』)が原因で亡くなったと劇中、語られます。クリスマス・イブの夜、ショーンは、巨大ホオジロザメに襲われ、死んでしまいます。エレンは、あまりにショックを受け、茫然自失の状態になります。そんなエレンを元気づけようと、長男マイケルが、バハマに来るように誘います。マイケルは、バハマで妻と娘と暮らしていて、海洋学者として友人のジェイクと巻貝の研究をしていました。エレンは、誘いに乗ってバハマにやってきます。パイロットのホーギーとも出会い、少しずつ元気を取り戻していきます。そんな時、マイケルは、巨大ホオジロザメに遭遇します。まるで、エレンを追いかけるように現れた巨大ホオジロザメ。マイケルは、このことをエレンに動揺を与えないために、伏せておきます。しかし、その巨大ホオジロザメは、ビーチを襲い、マイケルの娘も襲われてしまいます。エレンは、すべてに決着をつけるために、船に乗り、単身、巨大ホオジロザメに挑んでいきます。ホーギーの飛行機で、それを追うマイケルとジェイク。人々と巨大ホオジロザメの戦いが始まります。