『ダーク・エンジェル』は、アクション映画にSF的な要素がうまく組み合わさったSF刑事アクションというべき作品で、前年の『エイリアン・ネイション』に続く作品といえます。
映画の冒頭にエイリアンが出現した後、映画は刑事アクションとして進行します。主人公の刑事ジャック・ケインの麻薬組織に対する捜査が描かれ、そこにFBIがからんできます。相棒を失ったジャックは、新たな相棒としてFBIの捜査官と組むことになります。麻薬組織との戦いが描かれる一方で、エイリアンが人間を襲う場面が少しずつ描かれます。麻薬捜査のストーリーとエイリアンのストーリーが最後に結びつき、ジャックとエイリアンの戦いへ進みます。
ですから、刑事アクション映画として十分楽しめる作りになっています。このあたり、アクション映画とSF映画をバランスよく融合した『エイリアン・ネイション』にとてもよく似ています。
エイリアンが人間を襲う理由がおもしろいです。エイリアンが欲しいものは、人間の快感ホルモンであるエンドルフィン。エイリアンの惑星では、エンドルフィンが麻薬であると説明されます。そのため、まず人間を襲い、麻薬を摂取させ、それによって体内に生み出されたエンドルフィンを抜き取ります。少し面倒な方法ですが、SFとして面白い設定です。