• 映画の思い出を語っていきます!

ブラックホール(その7&その8)

ブラックホール(1979年アメリカ 日本公開: 1980年)The Black Hole

7. 見どころ③!~ジャーナリストもいる未来の宇宙旅行!~

 宇宙船パロミノ号のクルーの中にハリー・ブースというジャーナリストがいます。船長以下、軍人、科学者が搭乗している中、ジャーナリストが同伴しているところに、『ブラックホール』のリアリティがあります。未来の宇宙旅行は、旅で見たことを地球の人々に伝える役割として、ジャーナリストも同行することでしょう。
 1989年に当時TBS勤務のジャーナリスト、秋山豊寛さんが旧ソ連の宇宙船ソユーズで日本人初の宇宙飛行士として宇宙に行き、同時に世界初の宇宙へ行ったジャーナリストになったとき、私は『ブラックホール』を思い出しました。パロミノ号に乗船しているジャーナリストという設定は、現実を先取りしていました。

8. 見どころ④!~魅力的なロボットたち!~

 『ブラックホール』には、ロボットが多数登場します。ビンセントやマクシミリアンなどのロボットは、『スター・ウォーズ』のドロイドとはまた違ったアプローチでデザインされ人間味と愛嬌を感じさせるものになっています。『スター・ウォーズ』のドロイドたちは、それら自体が『スター・ウォーズ』世界の住人たちといったおもむきですが、『ブラックホール』のロボットたちは、あくまで人間の補佐をする役割として登場します。ビンセントは、ホバリング機能をもち、常に宙を浮いています。大きな目が表情を感じさせ、言葉で人間とコミュニケーションすることができます。さらに、ケイト・マックレイ博士とは、テレパシーで交信することができます。旧型のオールドボブと友情を育むところも人間的です。
 シグナス号のロボット軍団もそのぎこちない動きが、いかにもロボットという感じで楽しいです。そのリーダー格のキャプテン・スターは、レーザー銃の腕前をビンセントと競うのですが、このあたりも人間的で愛嬌たっぷりです。シグナス号船内を舞台にホランド船長らパロミノ号のクルーとこのロボット軍団が、レーザー光線の銃撃戦を繰り広げるところは、映画の大きな見せ場の一つになっていて、一見の価値があります。
 ラインハート博士のガード・ロボットのマクシミリアンもビンセントと同じく、ホバリング機能によって宙を浮いています。ビンセントとは対照的に声を出す機能はなく、真っ赤なデザインと不気味に輝く赤い目が印象的で、ビランとしての存在感があります。ラストのビンセントとの互いのドリルを使った一騎打ちは、迫力があります。
 魅力的なロボットたちが登場する『ブラックホール』は、「ロボットの映画」としても記憶される作品になっています。

『ブラックホール』(その9)見どころ⑤!~ラストに地獄と天国が登場!~