『戦場にかける橋2/クワイ河からの生還』は、魅力的な登場人物がドラマを形作ります。戦争中の捕虜収容所に集まった人々ですから、国際色豊かです。
イギリス軍医のベンフォード少佐は、紳士的で騎士道精神を感じさせるキャラクターです。原田少佐は、温厚さとともに大局的なものの見方ができるキャラクターです。ベンフォード少佐と原田少佐が心を通わせることになるのは、騎士道精神と武士道精神の出会いでしょうか。アメリカ空軍のクロフォード少尉は、血気盛ん。イギリス軍のグレイソン大佐は、クロフォード少尉にとってメンター的な役割です。オーストラリア海軍のハント中佐は、冷静なベンフォード少佐とは対照的に行動的な人柄。田中大尉は、最後まで残忍で悪役に徹しています。
観客は、身近に感じる登場人物の視点から物語の世界に入っていきます。私たちは、仲代達矢演じる原田少佐の目を通して、物語を体験することになります。世界中の観客に応じて感情移入しやすいキャラクターが存在するところが、国際的なキャスティングの成せる技です。