西暦10191年、全宇宙は、シャダム4世大王皇帝、貴族たちの大公家連合、恒星間輸送を独占する宇宙協会<スペーシング・ギルド>の三大勢力によって、バランスが保たれていました。皇帝のバックには、未来を透視する女性だけからなる宗教結社<ベネ・ゲセリット>がついていました。
皇帝は、それまでハルコネン家に支配させていた<デューン(砂丘)>と呼ばれる惑星アラキスを公爵レト・アトレイデスに新たな領土として与えます。アラキスは、不老不死の薬として使われるスパイス・メランジの唯一の産出星であり、そこを支配する者に莫大な富をもたらす惑星でした。レト・アトレイデスは、妻のレディ・ジェシカ、息子のポール・アトレイデスと共に一族を引き連れ、惑星カラダンからアラキスへ移ります。レディ・ジェシカは、かつては<ベネ・ゲセリット>のメンバーでしたが、<ベネ・ゲセリット>の教えに反して、レトとの間に男子の世継ぎのポールを産み、ポールに<ベネ・ゲセリット>の教養を与えていました。
アラキスへの移動は、<スペーシング・ギルド>のナビゲイターによって行われました。ナビゲイターは、遺伝子組み換えとメランジの接種によって進化をとげ、人間とは全く異なる姿をしています。また、アラキスに住む砂漠の民フレーメンは、いつか救世主が現れ、アラキスを統治しようとする外来者から、自分たちを解放してくれるという預言を信じていました。
アラキスに移り住んだレトは、ポール、副官のガーニイ・ハレック、生態学者のカインズ博士とともに、砂漠のメランジ採掘現場に赴き、アラキスに生息する巨大な砂虫<サンド・ウォーム>を目撃します。間もなく、アトレイデス家は、惑星ギエディ・プライムを領土とするハルコネン家と皇帝の精鋭部隊サルダウカー部隊に襲撃され、レトは殺され、アトレイデス家は崩壊します。すべては、皇帝が、アトレイデス家を滅ぼすためにハルコネン家と仕組んだ陰謀でした。
ポールとレディ・ジェシカは、一度は捕らえられますが、砂漠に逃れ、フレーメンに救われます。ポールとレディ・ジェシカは、アトレイデス家が開発してきた声<ヴォイス>を使った武器をフレーメンに提供します。そして、ポールは、フレーメンを導き、再びアラキスを支配するようになったハルコネン家のメランジ採掘現場を次々と襲うようになります。ポールは、フレーメンの民からポール・ムアディブと呼ばれるようになります。やがて、ポールは、フレーメンの宗教儀式にしたがい、<生命の水>を飲み、<サンド・ウォーム>を操り、未来を透視する力を得ます。フレーメンの預言は実現しました。ポールこそ、彼らが待ち望んだ救世主<クイザッツ・ハデラック>だったのです。そして、ポールは今や、<スペーシング・ギルド>のナビゲイターの力も、<ベネ・ゲセリット>の教母たちの力も凌駕する存在になりました。
ハルコネン家にアラキスの統治を任せられなくなった皇帝が、自らアラキスにやってきました。ポールはフレーメンを率い、皇帝、ハルコネン家との最終決戦に挑んでいきます。