私は、『砂の惑星』のことを日本公開の1年以上前に雑誌『スターログ』(1983年12月号)の中子真冶さんの紹介記事で知りました。誌面に紹介されていたスチール写真には重厚で豪華な衣装、室内装飾と本格的な銃器類が写っていました。主人公ポール・アトレイデスと仲間のフレーメンが着るのは砂漠で生き延びるためのスティルスーツ。悪役シャダム4世大王皇帝の豪華な軍服とドラマの中で暗躍するスペーシング・ギルドたちが着る独特の衣装。これらにまず圧倒されました。
実際に映画を観ても、衣装と室内装飾をはじめとする美術の豪華さに圧倒されました。宇宙船、メカニック類もレトロ・フューチャー的なデザインでそれらと調和しています。宇宙を舞台にした貴族の勢力争いという重厚なドラマにふさわしい美術、衣装で画面が満たされていて、映画に高い格調を与えています。