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愛と野望のナイル(3)

愛と野望のナイル(1990年アメリカ 日本公開: 1990年)Mountains of the Moon

3. ストーリー

 1854年、インド駐屯中のイギリス軍人ジョン・ハニング・スピーク少尉が、休暇で東アフリカ海岸にやってきます。そこで、スピークは紀行作家で探検家のリチャード・フランシス・バートンと出会い、バートン率いるナイル川水源の調査隊に加わることになります。出発した調査隊は、ある夜、現地の部族の襲撃を受けます。テントは燃やされ、調査隊員と現地人のポーターのほとんどが殺されます。バートンも頬を槍で貫通されるという重傷を負い、スピークは部族に捕らわれてしまいます。足と腕に傷を負いながらもスピークは何とか脱出。バートンはスピークと共にイギリスに帰還しました。
 スピークは17歳の時から帰っていなかった故郷で療養します。バートンは頬に受けた傷を治療した後、弟のもとで過ごします。そして、バートンは王立地理協会の報告会で、今回の遠征は失敗でも、ナイル川水源と中央アフリカの謎を解明する必要性があることを述べ、次回の遠征は成功すると話します。報告会には出版者のローレンス・オリファントも出席していました。また、イザベル・アランデルも報告会に出席しようとしますが、女性だからという理由で入場を断られます。ホートン卿の屋敷でバートンを主賓とするパーティーが開かれます。パーティーでバートンはイザベルを紹介され、やがて二人は愛し合うようになります。一方、オリファントは、足に負った傷からリハビリ中のスピークを訪れ、親しくなっていきます。オリファントには、スピークに次回の遠征の記録を書かせ、出版する目的がありました。
 1857年、バートンはスピークと共に、再びナイル川水源を探索する遠征に出発します。現地で大勢のポーターを雇い、バートンとスピーク一行は白人未踏の地へ入っていきます。途中、ライオンに襲われている逃亡奴隷マブルキを救い、一行に加えました。また、13人のポーターが銃と食糧を奪って逃亡。さらに、夜、テントに侵入した虫が左耳に入ったため、スピークは左耳の聴力を失います。やがて、飢えと病気が一行を襲い、旅は過酷を極めていきます。ポーターの半分が逃亡し、食糧が底をついたころ、一行は谷の部族と共に暮らすアラビア人の屋敷で休養を取ることができました。そして、バートンとスピークは旅を再開しますが、バートンは、足を負傷し歩けなくなります。バートンは、自ら腫れた足を切開します。そんなバートンを看病するスピーク。バートンは横になったままポーターに担がれ、旅を続けます。そして、やっと一行はタンガニーカ湖(「水の集まる所」の意味)に到達します。一行は現地民から船を手に入れ、岸の探索を始めますが、湖から出る川は途中で干上がっていました。そこで、今度は水路を求めて陸を探索します。不自由な足のため、杖をついて歩くバートン。現地民から北に王国と湖があることを聞き、進路をそちらへ向けます。
 そして、ヌゴラ王国(ブガンダ王国)に入ります。バートンとスピークは貢ぎ物をもってムテサ王に会い、一行は半ば捕虜としてヌゴラ王国で過ごすことになります。勢力を伸ばそうとする大臣ベルデュがマブルキを捕えます。マブルキはヌゴラ王国のまじない師でしたが、ベルデュの怒りを買ったため、奴隷にされ、逃亡していたのでした。スピークは王の妹で病気のレマを診察したことから、小規模な探検の旅を許され、出発します。足の悪いバートンは、人質として王国に留まりました。旅に出たスピークは足を傷めたポーターを途中に残し、さらに探索を続け、湖を発見。イギリス女王の名前を取ってビクトリア湖と命名し、ナイル川の水源だと確信します。一方、バートンはベルデュによって目の前でマブルキを殺されます。そんなベルデュは、結局、王に射殺されます。バートンのもとに帰ってきたスピークは、発見したビクトリア湖がナイルの水源だと話しますが、バートンは湖を一巡していないし、計器もないので推測にすぎないと言います。その後、王から王国を去る許可が与えられた一行は、帰路につきました。
 先にイギリスに帰国したスピークは、オリファントにそそのかされ、ビクトリア湖の発見を王立地理協会に報告します。続いて帰国したバートンは、ホートン卿からスピークへの反駁を促されますが、手柄の奪い合いはしたくないバートンは、それを断ります。そして、バートンはイザベルと結婚しました。協会から資金を得たスピークは、隊長としてアフリカへ戻り、新たな遠征を実行しますが、今回もビクトリア湖を一巡できませんでした。
 2年後、スピークは、ナイル川水源発見の英雄として、その遠征が芝居で演じられるほどになっていました。バートンは、手柄争いは避けて、静かに暮らしていましたが、ある日、アフリカ探検で知られるデビッド・リビングストンと会い、親しくなります。王立地理協会は、バートンとスピークの討論会を開き、リビングストンも招いて、2人の議論の決着をつけることにします。開かれる討論会。1日目、バートンの講話が行われ、その中でバートンはイギリスの文明社会を批判し、アフリカの古い文化の価値を説きます。そして、いよいよ、翌日は2人の討論が行われるという時になって、物語は皮肉な結末を迎えます。

『愛と野望のナイル』(4)キャスト