主人公の流れ者のアウトローを演じるのは、ブルース・ウィリス。ブルース・ウィリスは、『ダイ・ハード』(1988年)で人気が爆発しました。その後、同じようなアクション映画が続きましたが、『パルプフィクション』(1994年)で人気が再沸騰。『ダイ・ハード3』(1995年)、『12モンキーズ』(1995年)も成功し、波に乗るころに出演した一作が『ラストマン・スタンディング』でした。その後も、『フィフス・エレメント』(1997年)、『アルマゲドン』(1998年)、『シックス・センス』(1999年)、『アンブレイカブル』(2000年)、『シン・シティ』シリーズ(2005年、2014年)、『RED/レッド』シリーズ(2010年、2013年)と大作、話題作にコンスタントに出演しています。大ヒットした『ダイ・ハード』は、4つの続編が作られました。『用心棒』の三船敏郎が演じた桑畑三十郎の役どころを円熟味が増したブルース・ウィリスが演じていて、その渋さがかっこいいです。桑畑三十郎が偽名だったように、劇中ブルース・ウィリスは自らを偽名のジョン・スミスと名乗ります。
『用心棒』で三船敏郎の宿敵を演じたのが仲代達也でした。この仲代達也の役どころを『ラストマン・スタンディング』では、クリストファー・ウォーケンが演じています。クリストファー・ウォーケンは、『ディア・ハンター』(1978年)でアカデミー賞助演男優賞を受賞した名優です。『007/美しき獲物たち』(1985年)や『バットマン リターンズ』(1992年)で演じた悪役も印象的です。ほかに、『戦争の犬たち』(1980年)、『ブレインストーム』(1983年)、『トゥルー・ロマンス』、(1993年)、『スリーピー・ホロウ』(1999年)、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)などに出演しています。
最後にはジョン・スミスに味方するようになる悪徳保安官のエドをブルース・ダーンが演じています。1960年代から活躍し、『奴らを高く吊るせ!』(1968年)、『11人のカウボーイ』(1975年)、『サイレント・ランニング』(1972年)、『ファミリー・プロット』(1976年)、『ブラック・サンデー』(1977年)、『メイフィールドの怪人たち』(1989年)などに出演してきた名優。近年も『庭から昇ったロケット雲』(2007年)、『ヘイトフル・エイト』(2015年)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)などで健在ぶりをアピールしています。
ほかに、酒場を営むジョーに『ブレードランナー』のJ・F・セバスチャン役が印象的なウィリアム・サンダーソン。フェリーナに『ザ・ファーム 法律事務所』(1993年)、『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(1994年)のカリーナ・ロンバードが扮しています。
監督は、『48時間』シリーズ(1982年、1990年)、『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984年)、『ダブルボーダー』(1987年)、『レッドブル』(1988年)など男の友情やアウトローをテーマにしたアクション映画を数多く手がけてきたウォルター・ヒル。『ラストマン・スタンディング』も男たちの思惑が重なりドラマを生み出すハードアクションの一編になっています。ウォルター・ヒルは、近年も『バレット』(2012年)、『レディ・ガイ』(2016年)などを発表しています。
音楽は、ウォルター・ヒルの作品を多く担当してきたライ・クーダー。ボトルネックギターによる緊迫感溢れるサウンドが迫力と渋さを生み出し、映画の雰囲気作りに貢献しています。