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アパッチ(1990年)(3)

アパッチ(1990年アメリカ 日本公開: 1990年)Fire Birds(別タイトル Wings of the Apache)

3. ストーリー

 映画は、デビッド・ニューマンのテーマ曲に乗って、夕日をバックに編隊を組んで飛ぶ4機のアパッチ・ヘリコプターの情景から始まります。そのあとに、「我々は麻薬シンジケートに対しここに宣言する。外国政府から救援要請があった場合、従来の方針を捨てて、合衆国軍隊の出動によってその要請に応じる意向である」という1989年9月5日のジョージ・ブッシュ大統領の言葉が、スクリーンに映し出されます。 
 そして、陸軍パイロットのジェイク・プレストンが、政府高官、将校、DEA(麻薬取締局)局員たちの会議の場で南米カタマルカ砂漠上空で展開された空中戦を報告する場面に移ります。陸軍のヘリ部隊は、現地の麻薬カルテルと戦っていました。ある日、2機の<AH-1>コブラ・ヘリコプターと1機の<UH-60>ブラックホーク・ヘリコプターから成る編隊がカルテルの抵抗が激しい地域に向かっているとき、攻撃型スコルピオン・ヘリの急襲を受けます。激しい空中戦になりますが、先頭のコブラ・ヘリコプターとその後に続いていたブラックホーク・ヘリコプターは、撃墜されます。ブラックホーク・ヘリコプターには、麻薬取締官も搭乗していました。ジェイクが乗るコブラ・ヘリコプターは、かろうじて脱出しました。ここまで報告したジェイクは、最後に、自分たちは人数でも装備でも敵に劣っているが、命を捨てる覚悟で戦っていること、そして麻薬がアメリカ国民を殺している現在は戦争だ、と訴えます。会議の結果、オルコット将軍が、アパッチ・ヘリコプターによる特別作戦部隊を編成し、凄腕のパイロットを集めて訓練することになります。この極秘作戦を現場で指揮する任はマクニール大佐が当たることになり、ジェイクも部隊に参加することになりました。
 フォード・ミッチェル基地。集められたアパッチ部隊の隊員にマクニール大佐から指導教官のブラッド・リトル准尉が紹介されます。隊員たちはこれからブラッドから最新の空対空の戦闘技術を学ぶことになります。始まる訓練。早速、ジェイクはブラッドと共にアパッチに乗りこみ大空を飛びます。飛行を終えたジェイクは、偵察ヘリから降りてきた副操縦士ビリー・リー・ガスリーと再会します。2人は、かつて恋人同士でした。
 マクニールは、オルコット将軍から麻薬カルテルの動向についてブリーフィングを受けていました。勢力を拡大する麻薬カルテルは、キューバから武器を輸入し、隣国への進出を図っていました。そして、ヨーロッパと北朝鮮でテロ訓練を受けた傭兵で腕利きのパイロットのエリック・ストーラーを雇っていました。マクニールは、オルコット将軍から、ストーラーを始末するよう命じられます。
 ジェイクは、アパッチのシミュレーター訓練を受けます。シミュレーターに現れる標的を次々に仕留めていくジェイク。次にモノクルを目に当ててコンピューター情報を見ながらシミュレーターを操縦します。モノクルを使用したところ、焦点が合わず、ジェイクの機は電信柱にぶつかって墜落するという結果に終わりました。
 ビリーがパイロット試験に合格したと聞いたジェイクは、ビリーに祝福の言葉をかけます。一度は別れたものの、ジェイクはビリーを忘れられないでいました。
 マクニールは、オルコット将軍から、麻薬カルテルの最新情報を得ていました。それは、大型輸送機や戦闘機が発着できる滑走路を有するカルテルの密輸基地が数日で完成し、カルテルの大物が基地に集結するという情報でした。オルコット将軍からアパッチ部隊をスタンバイするように言われるマクニール。
 ブラッドは、隊員にカルテルに雇われたストーラーについて説明します。金のために人を殺す残忍な男で、空中戦では世界一の腕前をもっています。そして、ストーラーの操縦する攻撃型スコルピオン・ヘリは、スピードと機能において恐ろしい殺人マシーン。ジェイクにとって、ストーラーは、カタマルカ砂漠の空中戦で仲間を殺された仇でした。
 ジェイクは、ブラッドと共にアパッチに乗りこみ、計器飛行テストを受けます。このテストは、窓をふさぎ、真っ暗な中、モノクルに頼って飛行するというもの。右目でモノクルを通して見るものと左目で見るものを合わせる技術を問われますが、ジェイクは、焦点が合わないため墜落しかけます。ブラッドは、ジェイクを飛行停止にしました。
 自信を失ったジェイクにビリーがアドバイスします。ジェイクが手は右利きですが、左目が利き目のため、左目に頼る癖があることを見抜いたビリーは、ジェイクにブラッドに相談するように言います。訪ねてきたジェイクにブラッドはもう一度チャンスを与えるといいます。ブラッドもかつて利き目のバランスが悪く、それを克服した経験がありました。ブラッドによって利き目の矯正を受けるジェイク。顔を覆い、ペリスコープ(潜望鏡)を右目に付けただけで車を運転します。基地を車で走り回り、この矯正は上手くいきました。シミュレーター訓練でもジェイクは、めきめき上達していきます。そして、再び計器飛行テストを受け、見事に合格しました。
 テストに合格したことをビリーに伝えるジェイク。そして、2人は山の見えるレストランへデートに出かけます。2人は再び愛し合う関係になっていました。
 ジェイクたち隊員の空対空戦闘の訓練も最終段階に入っていました。ブラッドが仮想の敵となり隊員の機に攻撃をしかけます。この訓練でジェイクは、ブラッドの機をロックオンし、ジェイクは実戦に参加することになりました。
 オルコット将軍からマクニールに作戦命令が出されます。その作戦命令は、24時間以内にカルテルの大物が集まっている基地に攻撃をかけ、地上の麻薬取締局による逮捕を支援するというもの。ここに<ファイヤーバード作戦>が始まります。ブラッドもマクニールからアパッチ部隊隊長として作戦に加わるように言われます。ビリーも偵察ヘリ・パイロットとして作戦に志願しました。
 フォード・ミッチェル基地を飛び立ったアパッチ部隊は、南米カタマルカ砂漠の基地に集結しました。待機しているアパッチ部隊は突然、敵の攻撃を受けます。次々に飛び立つアパッチ。敵は2機のジェット機とストーラーが操る攻撃型スコルピオン・ヘリ。ジェイク、ビリー、ブラッドの大空の戦いが始まります。

『アパッチ』(1990年)(4)キャスト&スタッフ