• 映画の思い出を語っていきます!

兜/KABUTO(7)

兜/KABUTO(1991年アメリカ・イギリス・日本 日本公開: 1991年)Shogun Mayeda(別タイトルJourney of Honor / Shogun Warrior)

7. 見どころ①!~ショー・コスギが見せる華麗なアクション!~

『兜/KABUTO』は全編にわたって前田大五郎を演じるショー・コスギの華麗なアクションが展開し、テンポよく進んでいきます。冒頭の関ケ原の戦いもなかなかの合戦シーンです。頼宗との戦稽古のあとの豊臣方からの襲撃、嵐の中の船上での間者たちとの戦い、舞台をスペインに移してからは、フィリップ王を狙う集団との戦い、ペドロとの着物姿での宮廷内での戦い、船上での海賊との戦い、チェスの場でのペドロとの戦い、そして、クライマックスの鎧兜の前田と甲冑のペドロとの一騎討ち、とアクションのバリエーションも豊富で、息つく暇もありません。まさに日本のサムライ、ヨーロッパで大暴れ!という視覚的に楽しい映像が連続します。また、船上での外国の食べ物(牛の脳の塩漬け!)にとまどったり、入浴中のセシリアの部屋に入ってきて、驚くセシリアに一方的に真面目に話し続けたり、とコミカルな場面も用意されていて飽きさせません。

 前田大五郎が妻子を失うという悲劇からドラマはスタートします。大きな喪失感を前田は抱えているのですが、ヨーロッパでの冒険の中でその喪失感から回復していきます。自分と同じ境遇のクロフォードと出会います。そして、頼宗を守ることにすべてを捧げ、また頼宗も前田を真に信頼することで親子以上に親子的な関係になります。妻と息子は頼宗のことを前田に託して死んでいきました。前田は二人との約束を守ったのです。さらにセシリアという新たな愛する存在を手に入れます。セシリアとは場所は離れていても心は通じ合っている関係で、これからの前田にとって大きな支えとなるでしょう。『兜/KABUTO』が描く冒険行は前田の喪失感からの回復の行程でもあるのです。

『兜/KABUTO』(8)見どころ②!~真の主人公は頼宗!~