• 映画の思い出を語っていきます!

オズ(3)

オズ(1985年アメリカ 日本公開: 1986年)Return to OZ

3. ジョージ・ルーカスが協力!?

 監督のウォルター・マーチは、『地獄の黙示録』(1979年)、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)、『イングリッシュ・ペイシェント』(1996年)、『コールドマウンテン』(2003年)などの名作・話題作で編集と音響を手がけてきました。ジョージ・ルーカスとは、南カリフォルニア大学時代の同級生で、ルーカスの『THX 1138』(1971年)の脚本と音響、『アメリカン・グラフィティ』(1973年)の音響を担当しました。
 ウォルター・マーチの監督デビュー作となった『オズ』にルーカスが協力した経緯がチャールズ・チャンプリン著の『ジョージ・ルーカス ルーカスフィルム20年の軌跡』(キネマ旬報社、1993年)に記されています。それによると、ウォルター・マーチはルーカスに撮影現場のロンドンに来てくれないかと依頼し、ルーカスは何度か訪れました。ルーカスは、プロダクション・マネージャーのロバート・ワッツとともにウォルター・マーチの相談を受ける形で『オズ』に協力しました。しかし、ルーカスは実費の経費だけ要求し、報酬もクレジットにルーカスの名前が出ることも断りました。自分の名前が出ると、ルーカスの作品とみなされ批評家にたたかれることを心配してのことでした(確かに当時のルーカス製作作品『ラビリンス/魔王の迷宮』、『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』は批評家受けが悪かったといえます)。
 友情に応える形で、ルーカスはウォルター・マーチに協力したのでしょう。映画のエンドクレジットにルーカスとロバート・ワッツへの謝意が表されています。『オズ』は、ジョージ・ルーカスの非公式の協力作品といえます。ほかにも、『スター・ウォーズ』、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のプロデューサー、ゲイリー・カーツの製作、そのほか『レイダース/失われたアーク≪聖櫃≫』(1981年)、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』のスタッフの参加など、『オズ』は、何かとジョージ・ルーカスとの関りが深い作品です。

『オズ』(4)オズ・トリロジーの完成!