あと2か月で1900年代に入るアメリカのカンザス。オズの国での冒険(前作『オズの魔法使い」)からドロシーが帰ってきて、半年たっていました。この半年間ドロシーは不眠症で、オズの国のことをエムおばさん、ヘンリーおじさんに話しても、訳のわからないことを話していると思われていました。エムおばさんからは、オズの国でのことは話さないように言われていました。ある朝、めんどりのビリーナがつついていたオズの国の鍵をドロシーはエムおばさんに見せますが、取り合ってもらえません。エムおばさんとヘンリーおじさんは、ドロシーを一種の精神異常と思い、ウーレイ博士の電気療法を受けさせることにします。エムおばさんの付き添いで、町のウーレイ博士の病院に連れてこられるドロシー。エムおばさんは、ドロシーを病院に残し、家路につきます。病室のドロシーの前に女の子が現れます。その女の子は、ドロシーにハロウィーンのパンプキンを渡しました。ドロシーはベッドに縛られ、治療室に移されます。そこで、ウーレイ博士とウィルソン看護婦長に電気ショックで記憶を消されそうになります。しかし、ちょうどその時、落雷が起こり、病院は停電しました。ドロシーはさっきの女の子に助けられ、治療の犠牲者の声がこだまする病院から逃げます。ウィルソン看護婦長が2人を追いかけますが、2人は川に落ち、濁流に吞み込まれてしまいました。
壊れた家具に横たわり川を漂うドロシーが目覚めると、めんどりのビリーナに話しかけられます。ドロシーは、オズの国に戻っていたのでした。水が引いていきドロシーは死の砂漠にいることに気づきます。石をたどって死の砂漠から脱出し、ランチの木に育っているランチボックスで食事をすませると、エメラルド・シティに通じる黄色いレンガの道が壊れているのを見ます。オズの国に何か大変なことが起こっているに違いない、という不吉な予感をもつドロシー。壊れた黄色いレンガの道を走り、エメラルド・シティへ向かいました。そんなドロシーを常に見つめる目がありました。それは岩に現れる目で、ドロシーの動向を邪悪の王・ノーム王に報告していました。
ドロシーは、エメラルド・シティが崩壊し、人々は石にされている光景を見ます。かつてともに旅をしたブリキマンも臆病ライオンも石にされていました。ドロシーは、手足が車輪のホイーラーズ(くるま人間)たちに追いかけられます。壁に追いつめられますが、壁にカンザスで見つけた鍵を差し込むと壁が開き、壁の向こうの部屋に逃げることができました。部屋の中でドロシーは、王となったスケアクロウ(かかし)に指示されて、ドロシーを待っていたロボットのティック・トックに出会います。ティック・トックを起動させ、ホイーラーズを撃退します。ドロシーとティック・トックは、捕まえたホイーラーズの1人から、ノーム王がエメラルド・シティを征服し、エメラルドを奪い、人々を石にしたこと、そして、モンビ王女がスケアクロウの居場所を知っていることを聞き出し、モンビ王女の宮殿に案内させます。モンビ王女と会うドロシーたち。モンビ王女は、首を気分に応じて付け替える不気味な魔女でした。モンビ王女は、スケアクロウはエメラルドといっしょに、ノーム王に連れていかれたと話します。モンビ王女はドロシーの首をねらい、ドロシーを塔に閉じこめます。塔の部屋でジャック・パンプキンヘッドと出会い、命の粉のことを聞くドロシー。ドロシーは、寝ているモンビ王女から命の粉を奪います。そして、大鹿の首にソファーとヤシの葉とほうきをつけて命の粉をふりかけると、ガンプという不思議な生き物になりました。モンビ王女が追いかけてきますが、ドロシーとティック・タック、ビリーナ、ジャック・パンプキンヘッドはガンプに乗り、宮殿から脱出します。空飛ぶガンプのおかげで、追ってくるホイーラーズを尻目に死の砂漠を越えるドロシーたち。しかし、ガンプのソファーを縛っている紐がほどけ、ドロシーたちは墜落してしまいます。墜落したところはノーム王の山でした。山の岩壁に、巨大な顔となって現れるノーム王。ノーム王によって地下に導かれるドロシーたち。ノーム王は、かつてノーム王の国の民が作った世の中のすべての宝石は、地上の者に掘り起こされて取られてしまったと言います。そして、エメラルド・シティのエメラルドは、奪ったのではなく、ただ取り返しただけだと言います。ドロシーは、スケアクロウが王になる前からエメラルド・シティにエメラルドはあったから、スケアクロウを返してほしいと言います。ノーム王は、スケアクロウは自分の置物のコレクションの1つになっているから、ドロシーたちがどの置物がスケアクロウかを当てることができたら、スケアクロウを返してやろうと言います。ガンプ、ジャック・パンプキンヘッド、ティック・トックは失敗し、置物にされますが、ドロシーは置物を見破り、スケアクロウを取り返します。そして、ガンプ、ジャック・パンプキンヘッド、ティック・トックも元の姿に戻します。実は、ノーム王はドロシーたち全員に失敗させ、オズの国のことを覚えているものを消し、それによって自分が人間になることを企んでいたのでした。その目論見が外れ、怒り狂うノーム王。モンビ王女もホイーラーズたちとともにノーム王のもとに来ていました。ドロシーたちはノーム王と対決することになります。