映画は、「1978年1月のローマ イタリアは混乱しており『赤い旅団』というテロ組織が社会を革命前夜に導こうとしていた」という文字が、スクリーンに映し出されて、始まります。不安定な政治状況のイタリア・ローマに、野心家のアメリカ人青年デヴィッド・レイボーンが、再び到着しました。空港からタクシーに乗るデヴィッド。今日も、ローマ市内では、「赤い旅団」のメンバーに扇動された若者たちによるデモが、起こっています。その様子を警官隊が見張っています。やがて若者たちと警官隊は衝突。若者たちに火炎瓶をぶつけられたパトカーは炎上します。
そのデモの中には、デヴィッドの旧友でローマ大学の教授イタロ・ビアンキもいました。デヴィッドを乗せたタクシーは、デモの近くで停車。降りてきたデヴィッドをイタロが迎えました。再会した二人は外で食事をします。「赤い旅団」は解放軍ではなく、過激な学生の集団だと言うデヴィッド。それに対して、イタロは、アメリカ人は悪者は叩けという単純な考えをする、と言います。そしてイタロは、イタリアの経済は破綻していて、若者は大学を卒業しても仕事がない、と言うのでした。
デヴィッドは、借りているアパートに帰ってきます。部屋を整えたあと、デヴィッドはタイプライターで原稿を書き始めます。「『赤い旅団』は、一つのミスで組織が壊れないように小さな単位に細分化されている。その活動の重要な目標は大学への浸透。学生だけでなく教授もシンパにしようとする。人気者の英文学教授を抱き込みたい。その大学教授はイタロ・ビアンキだ!」と、デヴィッドは、笑いながら楽しそうに執筆し始めます。その原稿は、自分の身近な人を登場人物にし、「赤い旅団」を描く小説でした。
翌朝、デヴィッドは、かつて勤めていたアメリカン・ニュース社に来ます。前回デヴィッドが急に消えて迷惑したと言う社長のベルニエに掛け合い、10%減給で再び雇われます。ワーキングビザのないデヴィッドは、ローマではもぐりのジャーナリストでした。
ローマ大学ではイタロの授業が終わったところでした。イタロは、教室から出る男子学生ガリアーニを見つめます。外で車に乗ろうとしたガリアーニは、男二人に捕まり、別の車のトランクに入れられます。ガリアーニを乗せた車は、どこかへ消えました。
翌日、デヴィッドとイタロは、登山を楽しんでいました。山の上の古びた寺院に到着した二人は、イタリアでは今年400件以上の政治テロがあり、45人が誘拐されたことを話します。やがて昨日、イタロの教え子のガリアーニが誘拐された事件に、話題が移ります。デヴィッドは、金持ちの息子ガリアーニの誘拐は、親から現金を引き出すための芝居だ、と言うのでした。