• 映画の思い出を語っていきます!

孔雀王(2)

孔雀王(1988年日本・香港)

2-1. アシュラの復活!~ストーリー①~

 チベット高原の古代遺跡調査基地。夜、調査隊の前に魔族の女・羅我(ラガ)が現れ、その呪文によって仏塔が崩壊。中から少女アシュラが現れます。銃を撃つ調査隊に、アシュラは火球を放ち、遺跡一帯は火だるまになります。アシュラは666年前、ラマ僧によって封印された魔性の少女で、魔界の住人を封じ込めてある「地獄門」を開く鍵となる存在でした。
 アシュラの出現を知ったチベットのラマ寺院の大僧正・ジグメは、弟子のコンチェに、アシュラを再び封印することを命じます。

2-2. 日本での孔雀、コンチェ、冴子の出会い!~ストーリー②~

 東京のとあるデパートでは、イベント・プランナーの風間冴子とスタッフが、「大恐竜展」の準備を急ピッチで進めていました。すると突然、会場が真っ暗になり、展示物の恐竜が動き始めるという怪奇現象が起こります。冴子の上司の宣伝部長・佐藤は、怪奇現象の解決を裏高野の密教僧・孔雀に依頼。孔雀は、<拝み屋>と呼ばれる退魔師で、強力な法力を持ち、退魔法では、阿闍梨の位に匹敵すると、もっぱらの噂でした。夜、「大恐竜展」の会場で結界を張り、その中で護摩を焚き、経を上げはじめる孔雀。冴子と佐藤もそれを見守ります。冴子は女子ロッカールームへ着替えに行きますが、そこは鬼門でした。冴子のロッカーから巨大な腕が出現し、かけつけた孔雀が放つ法力で一度は倒されますが、その腕はしぶとく冴子を襲ってきます。そこにコンチェが凄まじい勢いで現れ、法力を放ち、それを蹴散らしました。「大恐竜展」の会場では、動き出した恐竜を孔雀とコンチェが、密教の法具・独鈷杵(どっこしょ)を使って倒します。孔雀は、事前に、このデパートの用地買収に当たって焼身自殺をした一家がいて、一人だけ生き残った娘がいることを突き止めていました。この怪奇現象は、その娘が式鬼の法を使って、デパートに呪いをかけたために起こったのでした。式鬼の法は、自分の命を引き換えに、すべての呪いを鬼にかえるという恐ろしい秘法。人の呪いが鬼の姿になって追いかけてくる追儺の鬼(ついなのおに)の出現を察知した孔雀とコンチェは、冴子、佐藤と結界に戻ろうとしますが、逃げ遅れた佐藤は瘴気(しょうき)に襲われ死にます。孔雀の前に現れる火事で生き残った娘の顔。孔雀は、九字の真言を印を切りながら唱え、それを消滅させるのでした。倒れた恐竜から羅我が現れ、すぐに姿を消しますが、孔雀らは気づきませんでした。
 そのあと、孔雀、コンチェ、冴子は、警察署に連れていかれ、取り調べを受けます。動き出した恐竜に襲われるはずがないと言う2人の刑事に、孔雀とコンチェは法力をかけます。心を操られた刑事は恐竜の話を信じるようになり、3人は釈放されました。
 冴子は、孔雀とコンチェをディスコに連れて行き、酒を飲んで一息つきます。アシュラと羅我もディスコに現れます。羅我の力で、天井から照明が落下し、パニック状態になったディスコの客は、一斉に逃げだします。孔雀は、法力でアシュラが香港へ行ったことをつきとめます。コンチェは香港に向かい、孔雀は師匠の慈空(ジクウ)のもとに東京での出来事を報告しに戻ることになりました。
 高野山に戻った孔雀から、東京の事件の顛末を聞いた師匠の慈空阿闍梨は、事態の悪化は予想を超えていることを知ります。太古の昔、生命の起源の時、暗黒に住む生命<魔>が誕生しましたが、地獄門が、その魔を封じ込めてきました。しかし、瘴気が満ちた今、地獄門が開かれ、究極の魔<皆魔障外神(カイマショウゲジン)>が現れることは時間の問題でした。地獄門は少女アシュラによって開かれると、慈空は言います。慈空から、アシュラを抹殺することが使命だと言われた孔雀は、コンチェと同様、香港へ向かうことになりました。

『孔雀王』(3)舞台は香港へ 羅我の邪神殿での戦い!~ストーリー③~