1977年公開(日本では1978年公開)の『未知との遭遇』(1977年)と『スター・ウォーズ』(1977年)がSF映画の時代を映画界にもたらしました。SF映画の躍進でSFX技術が飛躍的に発達し、1980年代は、その技術を活用したホラー映画の一大ムーブメントの時代でもありました。一方、1987年には、ギャング映画『アンタッチャブル』(1987年)が公開、翌年の1988年には、『ダイ・ハード』(1988年)が公開され(日本公開は1989年)、アクション映画の時代へと移っていきます。『ダイ・ハード』が目新しかった要素の一つにSFX技術の多用があります。純然たるアクション映画に多種多様なSFX技術が活用され、かといってSFX技術が前面に出ないよう工夫されています。SFX技術は、SF、ホラーだけでなく、アクション映画やドラマにも応用されていく時代に入っていったのです。
そんな時代にSF映画とアクション映画を融合させようというのは、映画人の当然の帰結でしょう。『エイリアン・ネイション』は、その見事な融合を実現した一作です。
私は、大学生時代、『エイリアン・ネイション』を大阪梅田のOS劇場で鑑賞しました。シネラマの巨大スクリーンに映し出されるハードなストーリーとスピーディーな場面展開に胸躍らせました。