『バット★21』を観ると、アメリカ軍による遭難者の救助が、チームワークによってシステマティックに行われていることに、驚かされます。クラークは、アメリカ空軍戦闘救難チーム(OSCAR)の前線航空統制官(FAC)で、偵察や救出活動の誘導を担当。救出は、OSCARの救難ヘリ・チームが行い、劇中、軽攻撃ヘリのコブラ・リーダーと大型ヘリのビッグ・スカイが登場します。クラークもコブラ・リーダーも敵を壊滅させる際には、戦闘機部隊に攻撃を要請します。それぞれに役割があり、チームワークで状況を打開していきます。ビッグ・スカイのパイロット、ロス・カーバーは自らを犠牲にしながらも、ハンブルトンを救おうとします。様々な人々の協力と勇気と犠牲によってハンブルトンは救出されるのです。『バット★21』は、英雄賛歌を描くわけでも、血なまぐさい戦場のバイオレンスを強調するわけでもありません。戦争の現実と救出作戦に誠実に従事する男たちを、冷静に描いた作品に仕上がっています。