逃亡者(1990年)(その3)

逃亡者(1990年アメリカ 日本公開: 1991年)Desperate Hours

3. ストーリー

 映画は、大自然を背景にフルスピードでハイウェイを走る一台の車から始まります。その車を運転するのは、女性弁護士のナンシー・ブレイヤーズ。ナンシーは、雪山が見える湖の近くに車を乗り捨てると、道路を歩きだします。
 そのあと、ナンシーは法廷に現れます。法廷では凶悪犯マイケル・ボズワースの裁判が行われていました。銀行強盗と2人を殺害した罪に問われているマイケルを弁護するナンシー。ナンシーは、マイケルが服役中にジョンズ・ホプキンス大学の文学課程を修了し、著名な作家から人物保証書を得ていることやマイケルのIQが130以上あることをなどを述べます。しかし、マイケルはナンシーの弁護を的外れだと非難し、自分の弁護は自分ですると主張します。裁判官から自己弁護は認められないと言われ、激高したマイケルを見て、ナンシーはマイケルと話す時間を裁判官に要求します。2人で話している時に、マイケルはナンシーを襲い、看守を殴った後、ナンシーを人質にして外に出ます。そして、迎えに来た弟のウォリーと仲間のアルバートの車で逃走しました。ナンシーと別れる際、マイケルはナンシーに「君が来ることを待っている」と言い、キスをしました。実は、マイケルとナンシーは、犯罪者と弁護士という関係を超えて、愛し合う仲になっていたのです。マイケルの逃走は2人の共犯でした。マイケルらは、ハイウェイを走り、雪山が見える湖にやってきます。そこで乗ってきた車を湖に沈めたあと、ナンシーが乗り捨てた車に乗り換えました。
 郊外のコーネル家に住む弁護士の夫ティムと妻ノラの関係は、冷えきっていました。ティムもノラも互いに浮気をしていました。しかし、ティムは、浮気相手と別れたのは、ノラに勝る女性はいないからだと言います。それに対してノラは自分には信頼できる男性が必要だと言います。2人は別々の道を歩もうとしており、家は売りに出されていました。 
 ナンシーは、取調室にいました。ナンシーの様子を見た女性FBI捜査官のチャンドラーは、ナンシーがウソをついていることを見抜きます。そしてナンシーを釈放して泳がせ、マイケルと接触したところで2人を逮捕する計画を立てました。
 マイケルらは郊外にやってきます。立てこもる家を物色し、コーネル家に狙いをつけました。ノラが一人のときにマイケル、ウォリー、アルバートはコーネル家に侵入。ノラを人質にします。そして帰ってきたティム、8歳の息子ザック、15歳の娘メイも人質になりました。マイケルはノラに電話をさせます。電話先はナンシー。ナンシーの留守電にコーネル家の電話番号を伝えるメッセージを残させました。
 コーネル家では、マイケルらとティム、ノラら家族との間の緊張感が高まっていきます。家族を支配下に置こうとするマイケルにティムは抵抗します。スキを見てティムはアルバートにナイフを向けて、ノラに銃口を向けるマイケルと対峙します。しかし、ティムは逆にアルバートにナイフで刺されてしまいます。ティムの傷の応急処置をするノラ。ノラはティムを余計なことをしたと責めますが、ティムはノラに自分を信じるように訴えます。
 ノラからの伝言を留守電で聞いたナンシーは、車を走らせます。猛スピードでハイウェイを走るナンシーの車をFBIの車と飛行機が尾行します。飛行機にはチャンドラーが乗っていました。途中、公衆電話からナンシーは、コーネル家に電話をかけます。再び、猛スピードでハイウェイを走るナンシー。尾行に気づき、車をまくことに成功しますが、チャンドラーの飛行機に追跡されます。
 コーネル家では、不動産屋のエドがノラを訪問していました。マイケルはエドを家に入れ、殺してしまいます。コーネル家での滞在が長くなっていることにイラついたアルバートは、マイケルに銃口を向けました。マイケルと言い争いになりますが、アルバートが一人で家を出ることで話がまとまります。マイケルは出ていくアルバートにエドの死体の処理を頼みました。また、ティムはマイケルに銀行に行くように言われます。マイケルにもし警察に助けを求めたら家族を殺すと言われたティムは、指示に従います。銀行に行き、口座を閉じ、1万ドルを降ろして帰ってきました。
 車で外に出たアルバートはスピードを上げて逃げようとしますが、周囲をパトカーが頻繁に走っていました。慌てたアルバートは道を外れた結果、タイヤが土砂に埋もれ車が動かなくなります。車をあきらめ、川にエドの死体を捨てます。エドの死体を捨てた際、服が血だらけになってしまいました。血だらけのアルバートは、出会った女性2人に通報されFBIに追われます。川を逃げるアルバートは、FBIに銃を捨てるように言われますが、言うことを聞かないためスナイパーに射殺されました。
 チャンドラーは、射殺されたアルバートが持っていた銃がノラが登録したものだったことと、ナンシーが公衆電話からかけた電話番号がコーネル家の番号だったことから、マイケルがコーネル家に潜伏していることを突き止めます。
 ナンシーがコーネル家に電話し、マイケルが出ます。コーネル家の住所をナンシーに伝えるマイケル。ナンシーは1時間以内にコーネル家に到着すると言います。
 チャンドラーは、ナンシーを囮に使ってマイケルをおびき出すことにします。FBIに協力したら罪に問わないと言われたナンシーは囮となることを承諾しました。
 ついにコーネル家に到着するナンシー。コーネル家は密かにスナイパーとFBIの捜査官に包囲されていました。ナンシーと再会するマイケル。マイケルはティムを人質にしてナンシー、ウォリーと逃走することを図ります。しかし、マイケルが起こしたこの事件は終止符が打たれようとしていました。

『逃亡者』(1990年)(その4)キャスト

けんいち

管理人のけんいちです。 関西在住の映画の思い出ライター、映画グッズコレクターです。