エレンに、『JAWS/ジョーズ』、『ジョーズ2』に引き続いて、ロレイン・ゲイリー。ロレイン・ゲイリーは、当時のユニバーサル映画を傘下に持つMCAの社長シドニー・シャインバーグの妻。女優業は、ほぼ引退していましたが、自身の当たり役ともいうべきエレン役でカム・バックしました。マイケルに『スタ・ファイター』(1984年)のランス・ゲスト。ジェイクに監督も務めた『ニュー・ジャック・シティ』(1991年)のマリオ・ヴァン・ピーブルズ。ホーギーに名優マイケル・ケイン。このころ、マイケル・ケインは、どんなオファーでも受ける俳優といわれていました。『ハンナとその姉妹』(1986年)で、アカデミー賞助演男優賞を受賞。しかし、授賞式には、『ジョーズ ’87 復讐篇』の撮影で、バハマに滞在中のため出席せず、このことがのちに有名なエピソードになりました。最近も『バットマン・ビギンズ』(2005年)に始まる「ダークナイト」3部作(2005年~2012年)、『インターステラー』(2014年)などのクリストファー・ノーラン監督作で活躍。このように地味ながら充実した俳優陣です。そして、第1作『JAWS/ジョーズ』からロイ・シャイダーのシーンが重要なところでインサートされるところもファンには堪らないところです。
監督は、ジョセフ・サージェント。『サブウェイ・パニック』(1974年)、『マッカーサー』(1977年)など、どんな題材も手堅く仕上げる職人監督です。音楽は、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1981年)、『愛と野望のナイル』(1990年)、『モブスターズ/青春の群像』(1991年)のマイケル・スモール。ジョン・ウィリアムズのあまりに有名な『JAWS/ジョーズ』をアレンジして聴かせてくれます。
『ジョーズ3D』から、しばらく「ジョーズ」シリーズが途絶えていた頃に公開されることになった『ジョーズ’87 復讐篇』に私は大いに期待しました。映画のチラシに、スピルバーグが脚本を読んだ時「18ページまで読んで、自分が連発銃を握り、海に向かって撃ちまくっている気分にさせられた」と語ったことが載っていて、第1作の迫力と興奮が再現されているのでは?と、私の期待はさらに上昇しました。1987年の夏の大作として、公開され、私は京都の京都スカラ座で鑑賞しました。私にとって映画館で観る初めての『ジョーズ』でした。そのシンプルなストーリーと巨大ホオジロザメと主人公たちの戦いを存分に味わいました。