兜/KABUTO(1991年アメリカ・イギリス・日本 日本公開: 1991年)Shogun Mayeda(別タイトルJourney of Honor / Shogun Warrior)

9. 見どころ③!~最後は心で相手を負かすサムライ=前田大五郎!~

 ショー・コスギ演じる前田大五郎は、鉄砲嫌いで、剣のほうが潔いと信じるサムライです。そんな前田のアクションにつぐアクションが展開されるのですが、前田は最終的には力ではなく心で相手を負かします。前田は嵐と間者の襲撃で小判を失います。しかし、フィリップ王は前田に命を救われたことに加え、前田がペドロとの勝負で勝った後、ペドロから奪った剣をペドロに返した姿を見て感心し、銃を進呈することにします。前田の平和を重んじる心に騎士道精神と同様のものを見たのです。また、最後に追ってきたエル・ザイダンも前田が頼宗に連射砲の使用を止めた様を見て、戦いをやめ立ち去ります。前田が危機の中にあってもフィリップ王との約束―日本以外で銃を使用しないこと―を忠実に守る姿に感嘆したのです。信念を守る前田の生き様が周囲や敵の心を動かしていくのです。前田の信念は「言葉を重んじる」「仲間を守る」「正義に生きる」というシンプルなものですが、どれも現代に生きる私たちが見失ったものといえるでしょう。前田大五郎が見せる信念の強さ、これも『兜/KABUTO』の魅力の一つになっています。

『兜/KABUTO』(1)サムライが大暴れするアドベンチャー!は、こちら。

けんいち

管理人のけんいちです。 関西在住の映画の思い出ライター、映画グッズコレクターです。