『奇蹟/ミラクル』は、ギャング・コメディともいうべき作品です。『ゴッドファーザー』シリーズ(1972年~1990年)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)、『アンタッチャブル』(1987年)、『グッドフェローズ』(1990年)など正統派のギャング映画は、傑作ぞろいですが、実は、ギャングを題材にしたコメディ映画も名作が多いです。詐欺師がギャングのボスをやっつける『スティング』(1973年)をはじめ、マーロン・ブランドが『ゴッドファーザー』の自分の役をセルフパロディした『ドン・サバティーニ』(1990年)、ロバート・デ・ニーロがノイローゼのギャングを演じる『アナライズ・ミー』(1999年)とその続編『アナライズ・ユー』(2002年)、結婚を申し込んだ相手がギャングのボスの娘だったことからはじまる騒動を描いた『恋するための3つのルール』(1999年)などがあります。『奇蹟/ミラクル』もこれらに連なる作品といえるでしょう。