映画は、長尾景虎(のちの上杉謙信)が、酒色におぼれ越後の国に混乱を招いた越後守護代の兄・長尾晴景を討伐するところからは始まります。これによって越後を治めることになった景虎は、ある日、鹿狩りの帰り道、自身の軍師・宇佐美定行の娘で幼なじみの乃美と再会します。
一方、甲斐の国では、武田晴信(のちの武田信玄)が、奥信濃進出に備え、鉄砲を買いそろえていました。鉄砲商人から景虎の噂を聞く晴信。いずれ戦うことになることは明らかでした。晴信は、越後の国へも調略を進めていきます。
越後の国で、晴信に調略された昭田常陸介が挙兵、景虎は鎮圧に向かいますが、昭田は籠城。宇佐美定行は、昭田の妻と子を人質にしますが、景虎の使者・秋山源蔵は昭田に殺されます。 景虎はためらいますが、 宇佐美定行は昭田の妻と子を強引に殺します。
戦いに嫌気がさした景虎は、越後の国を出奔。山伏姿で諸国を放浪します。その知らせを聞いた宇佐美定行は、自身の居城である琵琶島城へ帰ります。そして、景虎に仕える大熊朝秀が謀反を起こします。
景虎を追いかける馬廻りの者たち。彼らから大熊朝秀の謀反を聞いた景虎は、家臣たちの自分を慕う気持ちを改めて理解します。そこへ武田晴信率いる騎馬武者の一団が通りがかります。 晴信の側室で女騎馬隊を率いる八重の方の馬が 、雪に驚き暴走。それを止めようとした景虎を晴信の息子・太郎義信が斬りかかり、景虎をかばった馬廻りの戸倉与八郎が犠牲になります。晴信は、息子の非を詫び、金を投げ与えて去っていきます。この出来事は、景虎を大きく変えることになります。
琵琶島城では、宇佐美定行を謀反人・大熊朝秀と武田晴信の軍師・山本勘助が訪ねていました。彼らは、宇佐美定行に寝返りを勧めるのでした。宇佐美は、拒絶しますが、山本勘助から密談を持つこと自体が裏切りだと言われてしまいます。
越後の国へ帰った景虎は、戦国武将としての威厳と風格を兼ね備えるようになっていました。ついに景虎率いる越後勢と奥信濃進出を目指す晴信率いる甲斐勢は、川中島で戦い、激しい戦闘が繰り広げられます。戦闘がこう着状態になったころ、女騎馬隊を率いて越後勢を挑発しようとした八重の方が景虎に討たれます。八重の方を失った晴信は兵を引き、景虎も宇佐美定行謀反の知らせを聞き帰路につきます。景虎は、宇佐美定行と一騎打ちをして倒します。
景虎は、関東管領上杉家の名跡を継ぎ、名を上杉謙信と改めます。信濃を制した晴信も剃髪し、名を武田信玄と改めました。そして、映画は、謙信と信玄の両軍が激突する永禄四年(1561年)の川中島の戦い(第四次合戦)を描くクライマックスへ加速していきます。