アンタッチャブル(その7&その8)

アンタッチャブル(1987年アメリカ 日本公開: 1987年)The Untouchables

7. 監督ブライアン・デ・パルマと音楽エンニオ・モリコーネ!

 監督は、ブライアン・デ・パルマ。『キャリー』(1976年)、『フューリー』(1978年)で注目され、ヒッチコックを意識した『殺しのドレス』(1980年)『ボディ・ダブル』(1984年)などのサスペンスを発表。『スカーフェイス』(1983年)で大作ギャング映画を一度手がけています。『スカーフェイス』も数多くのファンに支持されている名作です。バイオレンスとサスペンスの名手として独特の個性的でマニアックな演出を見せる監督ですが、『アンタッチャブル』では、その個性と万人受けする要素をほどよくブレンドし、風格ある作品に仕上げました。この後、『カリートの道』(1993年)、『ミッション : インポッシブル』(1996年)、『ミッション・トゥ・マーズ』(2000年)といった万人受けする大作と、『レイジング・ケイン』(1992年)、『ファム・ファタール』(2002年)などの個性的でマニアックなサスペンスの両方を発表していきます。
 音楽は、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)、『ミッション』(1986年)など数多くの作品で名曲を作りあげたエンニオ・モリコーネ。『アンタッチャブル』も英雄賛歌ともいえるいつ聞いても爽快なテーマ曲をはじめ美しいスコアを聞かせてくれます。

8. 小さくなっていくアル・カポネと静かに去るエリオット・ネス!

 全編にわたって下から見上げるようにアル・カポネは撮影され、威圧感を与える見せ方をしています。それがラストの裁判で敗北すると徐々にカメラは引いていき、アル・カポネを上から小さく映します。見る私たちにわかりやすいカメラワーク。このあたりもシンプルかつストレートです。また、ラストシーンのエリオット・ネスがストーンに別れを言ってから、通りに出て、新聞記者にインタビューされた後、去る場面も徐々にクレーンでカメラが上に引いていき、やがてエリオット・ネスが群衆の中に消えていくというシンプルかつストレートな見せ方。英雄が活躍を終えて静かに去っていくわけですが、そこにエンニオ・モリコーネの勇ましいテーマ曲が重なり、しびれる格好よさです。

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けんいち

管理人のけんいちです。 関西在住の映画の思い出ライター、映画グッズコレクターです。