弘法大師・空海。おそらく世界で最もスケールの大きな名前でしょう。唐に渡り、密教を吸収、真言宗の開祖となったこの人物の生涯は、魅力に満ちています。空海の生涯のうち、大学をやめて、山野で修行、「大日経」の存在を知り、唐で密教を会得するまでの若き日の15年間にスポットを当てて描いたのが日中合作映画『曼荼羅 若き日の弘法大師・空海』です。中国留学の中で空海が体験する密教の神秘的な儀式がスクリーンに再現され、この映画をユニークなものにしています。
私は、大学生のころ『曼荼羅 若き日の弘法大師・空海』を京都の京極東宝で鑑賞しました。真理を求めて旅をする空海の姿と空海が出会う人々のドラマが誠実に描かれていて、感銘を受けました。