自宅でオペラを聴いてくつろぐイタロを 三人の若者が訪ねてきます。イタロは、彼らに自由に部屋を使わせます。実は、彼らもイタロも「赤い旅団」のメンバーでした。
デヴィッドの小説の執筆も順調に進んでいました。そんなデヴィッドに、アリソンが近づいてきます。アリソンは、デヴィッドがニューヨークで出版に関わっていることを調べ上げていて、「赤い旅団」の本を執筆しているとにらんでいました。デヴィッドは、書いているのはローマ観光の本だとごまかしますが、アリソンはデヴィッドに、自分と組んで「旅団」の本に自分の写真を載せることを提案してきます。自分の写真が載れば、デヴィッドの本は10倍売れると言うアリソン。
街を歩くデヴィッドとアリソンを イタロが尾行していました。デヴィッドとアリソンは、街で「赤い旅団」のデモに出くわします。「旅団」と反「旅団」の若者が衝突する危険な状況の中、ひたすらシャッターを切り続けるアリソン。火だるまになる人までが出て、アリソンもカメラを奪われそうになります。アリソンを連れて、その場から脱出するデヴィッド。そのあと、デヴィッドのアパートで休息を取ったとき、アリソンは、デヴィッドが棚に原稿をしまうのを見ます。デヴィッドのアパートから出てくるアリソンを イタロが見ていました。
デヴィッドが、リア、マルコと共にイタロの家で過ごしているとき、デヴィッドは、イタロに、アリソンが「赤い旅団」のことで自分に接近してきたこと、アリソンが自分が書いている原稿に興味を持っていることを明かします。しかし、デヴィッドは本の内容については、アメリカ人がローマで恋に落ちる方法だと嘘を言います。その夜、イタロは、公衆電話から「旅団」の同志ジョバンニに、電話を電話を掛けます。アリソンが有名な写真家で「旅団」に興味を持っている、とジョバンニに報告すると、イタロはアリソンの監視を続けるように指示されます。
デヴィッドは、アメリカン・ニュース社で、同僚と「赤い旅団」の創始者レナード・クルチオが二年間、刑務所に収監されていることを話していました。そこにベルニエがやってきて、もし「旅団」がモロ元首相を人質にすれば、政府はクルチオとの交換に応じるはずだ、と言います。なぜなら、モロ元首相は共産党を騙して保守派と妥協させた人物であり、首相に五年在任して、重要機密を握っているからだ、とベルニエは言うのでした。ベルニエのモロ元首相誘拐のアイデアを 早速、自分の小説に取り入れるデヴィッド。
デヴィッドはローマ大学で、アリソンと会います。大学でもデモが起こっていて、学生と警官隊が衝突していました。アリソンはここでも、デモの学生たちの写真を撮ります。二人は、イタロの研究室を訪れます。イタロの研究室から身を乗り出して、外のデモの写真を撮るアリソン。イタロはアリソンに写真を撮るのをやめさせます。「デモも『赤い旅団』の指示か?」と尋ねるアリソンに、イタロは「旅団」のことを聞き回ると危険だと言います。そのあと、二人はデヴィッドのアパートへ向かいます。そして、デヴィッドとアリソンは愛し合うのでした。情事のあと、寝ているアリソンを残して、アパートから出るデヴィッド。デヴィッドが不在の間に、アリソンは棚の鍵を見つけ、棚にしまわれているデヴィッドの原稿を読みます。帰ってきたデヴィッドに、アリソンはやはり小説を書いていたと迫ります。また、登場人物も、左翼の教授イタロ、新聞社の編集者ベルニエ、政治家モロ、「赤い旅団」のリーダー・クルチオら、すべて実在の人物で、硬派のルポルタージュに仕上がっていると言います。また、モロ元首相誘拐の計画が書かれているから、「旅団」の内部に潜入しないと書けないはずだ、とも言います。そんなアリソンに人物の名前は完成したら変えるつもりであり、すべて創作だとデヴィッドは言います。また「旅団」潜入は不可能であり、アリソンと違って、自分はそんな危険は冒さないとも言います。
そのころ、ベニスでは、「赤い旅団」のアジトで、若者から年配の者まで年齢も様々な九人の男女が会議の席についていました。会議を進めるのはリア。リアもまた「旅団」のメンバーでした。
アリソンは、イタロと会います。そして、デヴィッドが「赤い旅団」の小説を書いていることを話します。観光案内の本を書いている、と思っているイタロは、アリソンに、デヴィッドは「旅団」のことは何も知らないと言います。
夜、イタロは公衆電話からジョバンニに電話を掛け、アリソンはCIAとは関係がないことを報告します。また、アリソンがデヴィッドのモロ元首相誘拐に関する未完成の本を読んだことも報告しました。するとイタロは、ジョバンニから今夜中にその原稿を手に入れるように指示されます。
イタロは、デヴィッドのアパートに、屋上から縄を伝って、窓から侵入。デヴィッドの原稿を奪います。そのころ、デヴィッドは、リアと過ごしていました。ベッドで「いつも物事には真実とウソがあるの」とデヴィッドに言うリア。
イタロが自宅でデヴィッドの原稿を読んでいると、そこにジョバンニがやって来ます。そうしてデヴィッドの原稿は、「赤い旅団」の手に渡ります。
アパートに戻ったデヴィッドは、部屋が荒らされ、原稿が盗まれたことを知ります。アリソンを疑い電話を掛けると、アリソンは自分は盗んでいないが、デヴィッドが小説を書いていることをイタロに話した、と言います。デヴィッドは、イタロに電話を掛けますが、誰も出ませんでした。
翌日、アメリカン・ニュース社に出勤したデヴィッドの目の前で、バイクに乗った覆面の二人にベルニエが射殺されます。ベルニエがCIAだと書かれてあるデヴィッドの小説を 真実だと誤解した「赤い旅団」の犯行でした。
ベルニエ殺害について警察に捜査されるアメリカン・ニュース社の社員たち。そこを脱したデヴィッドは、イタロと会い、イタロが「赤い旅団」のメンバーだと知らされます。そして、「旅団」に捕まり殺されそうになりますが、デヴィッドを庇おうとしたイタロが殺されます。「旅団」の魔の手は、アリソンにも伸びていました。「旅団」は、アリソンを騙して、宿泊先のホテルからおびき出しますが、デヴィッドが、アリソンを救出します。デヴィッドとアリソンは「旅団」が追ってくる中、ローマの夜の街をさまよいます。何とか「旅団」の追跡をかわし、リアに電話を掛けます。助けに来たリアの車に乗り込むデヴィッドとアリソン。しかし、二人はリアによって「旅団」のアジトに連れていかれます。リアが「旅団」のメンバーであることを知るデヴィッド。「旅団」のアジトでデヴィッドとアリソンは生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされます。さらに、デヴィッドがベルニエのアイデアを拝借し、小説に創作して書いたモロ元首相誘拐を 「旅団」が現実のものにしようとしていました。