さて、私は、Enemy Mineという原題から、どういう日本語タイトルがつけられるのかを楽しみにしていました。「エネミーマイン」とカタカナでいくのか?または、全然違ったアプローチでいくのか?期待しました。それが、『第5惑星』になったと知った時は、仰天しました。実は、この映画に「第5惑星」は、登場しないのです。舞台となるのは「フィライン第4惑星」。確かに「第4惑星」では、語呂が悪い。でも映画に登場しない「第5惑星」とは、想像を超えていました。パンフレットには、「『猿の惑星』の20世紀フォックスが、またも放った意表をつくSF映画の新しい衝撃作である」とあり、このあたりには映画宣伝マンのうまさにある意味感動したものです。
私は、「第5惑星」を高校生の時、京都の京極東宝で鑑賞しました。
主人公の地球人パイロット、ウィリス・ダビッジにデニス・クエイド。『ライトスタッフ』(1983年)、『インナースペース』(1987年)。2000年以降も『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)などで活躍。エイリアンのジェリバ・シガンにルイス・ゴセット・ジュニア。『愛と青春の対立ち』(1982年)でアカデミー助演男優賞受賞。デニス・クエイドとルイス・ゴセット・ジュニアは、『ジョーズ3』(1983年)でも共演しています。ラストに出てくるエイリアンに強制労働させる悪の採掘業者スタッブスにブライオン・ジェームズ。『ブレードランナー』(1982年)、『48時間』(1982年)、『フィフス・エレメント』(1997年)が印象的。
監督はウォルフガング・ペーターゼン。母国ドイツで監督した『ネバーエンディング・ストーリー』(1984年)が大ヒット。『U・ボート』(1981年)で名を上げましたが、『ネバーエンディング・ストーリー』でSFファンタジーの名手のような印象を与え、アメリカに進出した第一弾がこの『第5惑星』でした。実は、『第5惑星』は、それほどヒットしなかったのですが、後に『ザ・シークレット・サービス』(1993年)が成功。ヒットメーカーとなり、『アウトブレイク』(1995年)、『エアフォース・ワン』(1997年)、『パーフェクトストーム』(200年)、『トロイ』(2004年)、『ポセイドン』(2006年)を発表します。エイリアンのデザインは、『グレムリン』(1984年)で注目されたクリス・ウェイラス。宇宙での戦闘機によるドッグファイトシーンには『スター・ウォーズ』の特撮スタジオILMが協力しています。音楽が、『アラビアのロレンス』(1962年)の名匠モーリス・ジャールで、美しいスコアが印象的です。