デューン/砂の惑星(2)

デューン/砂の惑星(劇場公開タイトル: 砂の惑星)(1984年アメリカ 日本公開: 1985年)Dune

2. 『スター・ウォーズ』的なものを求めていたころ・・・

 1983年に『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(後に「ジェダイの帰還」に改題)が、公開され大ヒットしたあと、『スター・ウォーズ』シリーズは、一旦休止します。『未知との遭遇』(1977年)、『スター・ウォーズ』(1977年)でSF映画ファンになった私は、『スター・ウォーズ』がないという強烈な飢餓感を感じるようになりました。その飢餓感を払拭するために『スター・ウォーズ』的な映画を探し求めるようになるのですが、そのような中で出会った一作が『砂の惑星』でした。私は、映画雑誌などから、主人公はアトレイデス家の世継ぎのポール・アトレイデスという青年で、砂の惑星アラキスで生き延びるためにスティルスーツという特殊な衣服を身にまとい、クリスナイフを武器として使うこと。そして、砂漠の民フレーメンを率いて、宿敵ハルコネン家、皇帝らと戦い、救世主となる、といった情報を集め、『スター・ウォーズ』の次はまさにこれではないかと思いました。ポール・アトレイデスは、砂の惑星タトゥイーン出身の青年で、ライトセーバーを使い、ダースベーダーや皇帝と戦いジェダイとなったルーク・スカイウォーカーを彷彿とさせます。『スター・ウォーズ』と同じく壮大な宇宙を舞台に、様々なクリーチャーも登場。私の期待は大いに高まりました。

 私は、高校生のころ、『砂の惑星』を京都の美松劇場で鑑賞し、楽しみました。『砂の惑星』は、期待に違わず、陰謀渦巻く大宇宙を舞台に、青年が救世主となっていくという壮大なスペースオペラに仕上がっていました。ただ、同じスペースオペラでも明るく万人向けに作られた『スター・ウォーズ』とは全く異なり、中世ヨーロッパの貴族たちの覇権争いを思わせるような暗く重々しい雰囲気。まさにダークバージョンの『スター・ウォーズ』。さらに残酷描写、グロテスクな演出もかなり高め。それら残酷描写に最初に観たときは驚きました。一方で、ジョン・ブアマン監督のファンタジー映画『エクスカリバー』(1981年)と雰囲気が似ていて、重厚さを感じました。

 『砂の惑星』は、1985年の春の公開でした。1985年の春の興行は、SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』(1968年)の続編『2010年』(1984年)、ファンタジーの名作『ネバー・エンディング・ストーリー』(1984年)とこの『砂の惑星』で、3大SF巨編と呼ばれ、映画界を沸かせました。『スター・ウォーズ』的なものを求める私は、『砂の惑星』に最も惹きつけられたのを覚えています。

『デューン/砂の惑星』(3)ストーリー

けんいち

管理人のけんいちです。 関西在住の映画の思い出ライター、映画グッズコレクターです。