キングコング2(3)

キングコング2(1986年アメリカ 日本公開: 1986年)King Kong Lives

3. ストーリー

 映画は、前作『キングコング』(1976年)のラストシーンから幕を開けます。髑髏島からニューヨークに連れてこられたキングコングは、ジェシカ・ラング扮する女優ドワンをその手にそっとに握りしめ、世界貿易センタービルを登ります。ビルの屋上に到達したキングコングを攻撃するヘリコプター部隊。キングコングに叩きのめされた一機のヘリコプターは、ビルに激突します。ドワンとジェフ・ブリッジス扮する動物学者ジャック・プレスコットが攻撃をやめるように叫びますがそれもむなしく、ヘリコプターからの銃撃で力尽きたキングコングは屋上から落下。地面に横たわるキングコングをドワンが、悲しそうに見つめます。そこに「心臓を!」、「救護班だ!」という声が重なります。ここから『キングコング2』のストーリーが始まります。
 それから10年後、キングコングはジョージア州アトランティック大学で植物人間の状態で生きていました。昏睡状態で横たわるキングコングは、エイミー・フランクリン博士率いる多数の医療関係者によってモニターされていました。理事長のインガソルは、700万ドルかけて巨大な人工心臓を準備し、キングコングを復活させようと計画しましたが、今、キングコングに手術をすればキングコングは死んでしまうとエイミーから聞かされ愕然とします。昏睡状態が長すぎたキングコングの血液は汚れてしまっており、手術するには輸血が必要でした。霊長類学者のベンソン・ヒューズ博士もゴリラ、チンパンジー、オランウータンなどの動物にキングコングに適合する血液をもつものがいないか試しましたが、どれも不適合だったと話します。キングコングに輸血できる動物はいない事実に関係者は落胆します。
 そのころボルネオのジャングルを探検家ハンク・ミッチェルが歩いていました。ミッチェルが、一休みしようと草の上に横になると突然地面が動き出します。ミッチェルは巨大な雌ザル・レディコングの掌に横になったのでした。逃げるミッチェルをレディコングの巨大な毛むくじゃらの手が追いかけてきます。現れたジャングルの原住民が吹き矢で攻撃するとレディコングは倒れてしまうのでした。
 レディコングを使って一儲けしたいミッチェルは、インガソルと国際電話で話します。見つかった巨大ザルは雌だと知ったエイミーは、雌の刺激は手術するキングコングによくないと反対しますが、買わないならハーバード大学やディズニーランドに売るとミッチェルが言うに及んで、インガソルはレディコングを買い取ることにします。
 飛行機でレディコングが運ばれてきます。空港でミッチャルを迎えるエイミー、ヒューズ、インガソル。空港には多数のマスコミも集まりました。飛行機の貨物室から現れたレディコングに殺到するマスコミ。ミッチェルはレディコングを怯えさせないようにマスコミを懸命に制止するのでした。
 そして、レディコングから採血した血液を輸血し、キングコングを蘇生させる手術が始まります。執刀はエイミーの医療チーム。途中、吊り下げられた巨大な人工心臓が落下しそうになるハプニングがありましたが、手術は無事成功します。
 全米からアトランティック大学に多くのキングコング・ファンが集まっていました。レディコングは大学から離れた場所に建設中の新居が完成するまで、急造のコンクリート製の宿舎で過ごすことになりました。インガソルの屋敷では手術成功のパーティーが開かれていて、ミッチェルも参加していました。一方、エイミーは医療チームと一緒にキングコングの状態を見ながら3日間、徹夜が続いていました。そして、ついにキングコングは目覚めます。目覚めたキングコングはレディコングの匂いを嗅ぎつけ、レディコングもキングコングの匂いを嗅ぎつけるのでした。2頭は互いに呻きあいます。立ち上がったキングコングは天井に飛び上がろうとしますが、心臓が不整脈を起こし、呼吸困難に陥ります。エイミーの指示でキングコングは鎮静剤を打たれ、眠らされました。
 インガソルの屋敷に急行したエイミーは、キングコングが雌の匂いを嗅ぎつけたことをインガソル、ヒューズ、ミッチェルに伝えます。レディコングをすぐに移すべきと言うエイミーにインガソルは新居を徹夜作業で完成させ、48時間後にレディコングを移動させることを約束します。
 コンクリート製の宿舎では、レディコングを夜明けまでに運び出す準備が始められていました。ミッチェル、エイミー、インガソルがその様子を見ています。レディコングに麻酔銃を打とうとする作業員に対して、餌に入れた鎮静剤で十分とエイミーは言います。しかし、作業員はレディコングは餌を食べていないと言って、聞く耳をもちません。ミッチェルもまたレディコングが痛がっているのを見て作業を止めようとしますが、作業員は怯えるレティコングにネットをかぶせます。その時、目覚めたキングコングは、腕輪など自分を拘束しているものを怪力で破壊し、天井に飛び上がって建物から出ました。そして、レディコングの宿舎に突入し、レディコングを救出します。作業員はパワーシャベルで2頭を止めようとしますが、キングコングによってパワーシャベルは簡単にひっくり返されてしまいます。作業員はキングコングに発砲しますが、ミッチェルがそれを邪魔しました。キングコングはレディコングを抱いて、カナワ山の方へ立ち去ります。
 翌日、ネビット中佐率いる機動部隊がカナワ山の80km四方を封鎖し、2頭を捕える作戦に取り掛かります。ミッチェルもカナワ山に車で向かっていました。それに追いついたエイミーのジープで2人は共に山を目指すことにします。そのころ、キングコングとレディコングは山で食物を確保しようとしていました。2頭は親しくなり、レディコングは、キングコングが脱出の際に負った足の傷に水をかけてやるようになります。ジープに乗るエイミーとミッチェルの前に兵隊が現れ、発砲してきますが、エイミーの運転で兵隊から逃れることに成功します。道が倒木によってふさがれているので2人は、歩いて山を進みますことにします。エイミーはキングコングの人工心臓のモニター装置を持参していました。このモニター装置は、キングコングの22のペースメーカーにつながっていて、人工心臓の不調を直せるという優れもの。途中、川にかかっている壊れかけた橋から落ちそうになるエイミーをミッチェルが助けます。そのときに負傷したミッチェルの右腕の応急処置をするエイミー。夜になって2人はキングコングとレディコングを発見。2頭が仲睦まじく過ごしている様子を見ます。モニター装置は人工心臓がしっかり機能していることを示していました。抱き合って眠る2頭の近くでミッチェルとエイミーも休むことにします。2人はいつしか愛し合う関係になっていました。
 翌朝、2人はキングコングがいなくなっていることに気づきます。ネビット中佐の指示でヘリコプター部隊が毒ガスを散布し、それを吸ったレディコングは眠らされます。そこにキングコングが救いにきますが、レディコングを吊り下げたヘリコプターは飛び去ります。機動部隊は火炎放射器、ジープ、装甲車でキングコングを追いつめます。強風と雷雨の中、キングコングは崖を登っていき、岩を投げてジープを破壊します。ミッチェルとエイミーも兵に捕えられ、ネビットのもとに連れてこられます。ミッチェルはキングコングを生け捕りにするように言いますが、ネビットは殺すように部下に命じます。キングコングは崖から下の川に飛び降りました。濁流の中を流されていくキングコングは巨大な岩に頭をぶつけます。その様子を見て、キングコングはおしまいだと言うネビット。
 半年後。レディコングは機動部隊の基地に捕らわれていました。病院勤務のエイミーをヒューズが訪れます。そしてエイミーとヒューズは、ヒューズが用意した国防長官のサイン入りの書類を持って、機動部隊の基地にレディコングの診察に訪れます。エイミーの立ち入りを拒否していたネビットもヒューズの用意した書類を見て、レディコングとの面会を許可します。衰えて元気のないレディコングを見て、エイミーはレディコングがキングコングを恋しがっている、その存在を感じ取っていると言います。そして、エイミー自身もキングコングの生存を感じるのでした。
 キングコングは生き延びていました。夜、川でワニを食べるキングコングは、月を眺めます。その時、キングコングはレディコングの叫び声を聞き取るのでした。
 ボルネオに行っていたミッチェルを迎えにエイミーが空港に来ていました。ミッチェルは格安の値段でボルネオ高地の1万エーカーの土地を見つけていて、そこをキングコングらの生息地にしようと考えていました。エイミーからレディコングが衰えて死にかかっているにもかかわらず、ネビット中佐がレディコングと面会させないことを聞いたミッチェルは、エイミーと一緒に機動部隊の基地に行き中に入ろうとしますが、兵たちに捕まり、殴られてしまいます。2人は基地を後にせざるを得ませんでした。
 レディコングの声を聞いたキングコングは川を出発、リビングストン郡の町に現れます。パニックになる町の住民。そして、キングコングを仕留めようと、たくさんのハンターたちが町にやってきます。夜、野営するハンターたちの前にキングコングが出現。ハンターたちに崖をダイナマイトで爆破され、キングコングは肩から下を土砂に埋められ動けなくなってしまいます。そして、ハンターたちはキングコングをからかい、その顔に松明の火を当てます。怒ったキングコングは怪力で生き埋めから脱出し、ハンターに襲いかかり、その中の2人を食べました。駆け付けたミッチェルとエイミーが人工心臓をモニターし、調整しようとしますが、怒ったキングコングが引き返してきて、モニター装置を踏みつけてしまいます。人工心臓の調整が途中で終わってしまっていたので、キングコングの心臓はあと一日しか持たないと言うエイミー。キングコングが去ったあと、ミッチェルとエイミーは、キングコングに殺されたハンターたちの死体を見つけます。人を殺してしまったキングコングが人に殺されることになることは明らかでした。
 翌日、装甲車、ジープ、ヘリコプターからなる機動部隊が基地から出動します。機動部隊を指揮するネビット中佐の作戦は、キングコングを待ち伏せして殺すというもの。夜になって、山から現れたキングコングと機動部隊の激しい戦いが始まります。土砂を投げつけ、装甲車、ジープを蹴散らしていくキングコング。基地に忍び込んだミッチェルとエイミーは、レディコングを基地から解放しようとします。レディコングが妊娠していることに気づくエイミー。キングコングはレディコングを救い出し、町に逃れますが、レディコングは、納屋に倒れこんでしまいます。キングコングとレディコングにネビット中佐の機動部隊が迫ってきます。レディコングを守ろうとするキングコングと機動部隊の最終決戦が始まります。

『キングコング2』(4)キャスト

けんいち

管理人のけんいちです。 関西在住の映画の思い出ライター、映画グッズコレクターです。