映画は、ビル・コンティの軽やかなスコアで幕を開けます。画面に文字が映っては飛び去るオープニング・クレジットは、『スーパーマン』(1978年)のそれをイメージさせます。
惑星エテルニアでの戦いから始まり、ヒイ・マン、スケルターをはじめ、アクション・フィギュアに基づくキャラクターが次から次に登場します。ヒイ・マンは、ドルフ・ラングレンの迫力のアクションで躍動的に描かれています。ヒイ・マンのほかのキャラクターたちも俳優の生き生きした演技で再現されるわけですから、おもちゃの『マスターズ・オブ・ザ・ユニバース』に親しんだ子どもたちにとっては夢のような映像の連続でしょう。さらに、舞台は地球のアメリカに移動。アクション・フィギュアで親しんだキャラクターたちが、まさに自分たちの近くに来たような感覚を味わえるわけで、これまた子どもたちには夢の展開です。アメリカ人の若者のカップル、ジェリーとケビンがヒイ・マンたちと出会い、再びエテルニアに戻りヒイ・マンとスケルターの最終決戦が描かれます。ジェリーは、飛行機事故で両親を失っているのですが、ラストにそれが救済されるというタイムトラベルをからめたオチがあり最後まで楽しめる作品になっています。おもちゃの『マスターズ・オブ・ザ・ユニバース』の世界を魅力たっぷりに描いた本作は、スペースオペラの意欲作になっています。