ジュディ・ガーランドに代わる新しいドロシーを演じたのは、ファルーザ・バーク。まじめで賢そうな顔立ちは、前作『オズの魔法使い』よりもダークでシリアスな作風に仕上がった『オズ』に合っています。『オズ』は、ファルーザ・バークのデビュー作で、ほかに『ザ・クラフト』(2009年)、『D.N.A.』(2009年、DVDタイトル『D.N.A./ドクター・モローの島』)などに出演しています。ノーム王とウーレイ博士を『エクスカリバー』(1981年)の魔術師マーリン役で知られるニコル・ウィリアムソンが演じています。ほかに『ブラック・ウィドー』(1987年)、『スポーン』(1997年)など。モンビ王女とウィルソン看護婦長にジョージ・ルーカス製作の『ウィロー』(1988年)でも魔女を演じることになるジーン・マーシュ。エムおばさんを『ハスラー』(1961年)、『キャリー』(1976年)、テレビドラマ『ツイン・ピークス』(1990年~1991年)などのパイパー・ローリーが演じています。新人のドロシーのまわりをベテランで固めたキャストになっています。
スタッフにはゲイリー・カーツ製作、ウォルター・マーチ監督という布陣に、ハリウッドの先鋭たちが集められました。プロダクション・デザインにジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』(1977年)、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1980年)、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』()、『レイダース/失われたアーク≪聖櫃≫』(1981年)のほか、『スーパーマン』(1978年)、『スーパーマンⅡ/冒険篇』(1981年)、『ミッション: インポッシブル』(1996年)、『アンドリューNDR114』(1999年)などを手がけたノーマン・レイノルズ。SFXスーパーバイザーは、『ダーク・クリスタル』、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(1983年)、『アベンジャーズ』(1998年)、『スリーピー・ホロウ』(1999年)、『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003年)、『エイリアンVS.プレデター』(2004年)のイアン・ウィングローブが務めました。また、『スーパーマン』でゾプティック・フロント・プロジェクション・システムを開発し、スーパーマンの飛行シーンの再現に成功したゾーラン・ペリシックもSFXを担当しています。『スーパーマンⅡ/冒険篇』、『メガフォース』(1982年)、『スーパーマンⅢ/電子の要塞』(1983年)、『ハイ・ロード』(1983年)のSFXもゾーラン・ペリシックによるもの。『オズ』の見どころの一つであるクレイ(粘土)・アニメーションを手がけたのは、ウィル・ヴィントン。アカデミー賞を受賞しているアニメーション・プロデューサーで、1988年には、マイケル・ジャクソン主演の『ムーンウォーカー』に参加しました。
音楽は、『大統領の陰謀』(1976年)、『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977年)、『2010年』(1984年)、『ショート・サーキット』(1986年)、『ゾディアック』(2007年)などのデヴィッド・シャイア。迫力のオーケーストらによるスコアと時折奏でられる哀し気なバイオリンの音色が印象的です。