チャールズ・ディケンズは、ウィリアム・シェークスピアと並ぶ人気を誇っています。ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』や『大いなる遺産』は、これまでも何度も映画化、テレビドラマ化されていますし、映画の中でもよくディケンズが言及されることがあります。たとえば、『ヒアアフター』(2010年)のマット・デイモン演じる主人公はディケンズファンで、ディケンズの生家を訪れる場面がありました。また、『オリエント急行殺人事件』(2017年)でもケネス・ブラナー演じる名探偵ポアロが、ディケンズの小説を読んで大笑いする場面があります。このような場面を観るとディケンズは、アメリカ人、イギリス人に親しまれ、生活の中に溶け込んでいることがうかがえます。
ディケンズの著作の中で最もよく知られているのが『クリスマス・キャロル』でしょう。クリスマスにケチな金貸しのスクルージに起こる不思議な出来事を描き、スクルージが改心し、町に奇跡がもたらされるというファンタジーです。『クリスマス・キャロル』も昔から何度も映画化、テレビドラマ化されてきました。1970年のロナルド・ニーム監督の『クリスマス・キャロル』は、アルバート・フィニーとアレック・ギネスの豪華共演によるミュージカル。1984年にはジョージ・C・スコット主演でテレビ映画『クリスマス・キャロル』が作られました。2009年には、ロバート・ゼメキス監督がジム・キャリー主演(しかも1人で7役!)でCGアニメ映画『Disney’s クリスマス・キャロル』を製作しています。『クリスマス・キャロル』は、定期的に映画化される素晴らしい題材といえます。この『クリスマス・キャロル』の1988年の映画化作品が『3人のゴースト』です。