命がけの太陽への旅の中、宇宙船ヘリオス船内では、妨害工作が起こります。照明を落とした船内と乗組員の不安そうな表情、顔から流れる汗から、緊迫感と暴走する太陽の熱さが、観客に伝わってきます。
最初の妨害工作のエンジントラブルでは、誰かが船外に出て、エンジンを修理しなくてはなりません。船外活動に出たクルーは、不運にも犠牲になります。困難な修理をよそに急激に上昇する温度。助けを求めて叫ぶクルー、と息が詰まるような場面が連続します。
また、反物質爆弾フレディの起爆装置のカウントダウンが勝手に始まる場面も見どころです。フレディを破壊しようとするも、逆に吹き飛ばされるケン・ミナミ。コンピュータでシステムに侵入しようとするクルー。アレックス・ノフの声紋が必要ですが、アレックスも気絶しています。声紋のサンプルもコンピュータには通用しません。トラブルの進行と、それを阻止しようとするクルーの懸命の努力が描かれるこのシーンも圧倒的な緊張感です。
ラストで探査船ラーに乗りこんだアレックスが、反物質爆弾フレディの爆破に成功するのですが、爆破の成功とともに船内に照明がともります。それまでの緊迫感あふれる描写とは対照的に解放感あふれるものになっています。