長く心に残る映画は、オープニングから印象的です。
『スター・ウォーズ』(1977年)のオープニングの観客の頭上を通過するように映し出されたスターデストロイヤーの迫力は、観客の度肝を抜きました。私は『スター・ウォーズ』といえば、あのスターデストロイヤーのオープニングが真っ先に目に浮かびます。
『ブラックホール』のオープニングもそれに負けないほど印象的です。当時最先端のCGによるブラックホールのイメージとともにタイトルバックがはじまるのです。CGによるフレームワークでブラックホールを描き、観客はその中に吸い込まれていくという展開になっています。これに合わせて、ジョン・バリーの不気味で不穏、しかし耳に残るスコアが流れ、これまた印象的。そして、このタイトルバックのあと、ようやくNASAの探査船パロミノ号が登場するのです。
『ブラックホール』のオープニングに登場するCGは、今観ると単純なものですが、当時は最先端のものでした。その衝撃は強く、『ブラックホール』といえば、私は真っ先にこのオープニングが目に浮かびます。
CGを活用するあたりに、ディズニーの独自性を打ち出したいという思いがうかがえます。ディズニーは、その後、CGを前面に打ち出した『トロン』(1982年)を発表することになります。